みーにんによる推薦図書10選 1
0 はじめに
友がすなる「推薦図書10選」といふものも私もしてみむとしてするなり・・・。
いきなり『土佐日記』の書き出しのパロディを使ってもピンとこないか。
みーにんです。
私の友人などが「推薦図書10選」というものを企画していたので、酒を飲んでいた私は「私もやってみるか」などと言ってしまった。
しかも、先週の日曜日までに他の参加者は推薦図書10選を書いてしまい、しかも、日曜日にその反省会が行われた。
そこで、急ぎ私も「推薦図書10選」なるものを書いてみる。
ただ、10冊の紹介を一気に書くと、数千字になってしまい、私がNOTEにかけられる時間を軽く超えてしまう。
そこで、他の人とは異なり、何回かに分けて記事を公開する。
では、私の推薦図書の始まり始まり~。
まずは、山本七平先生の書籍からいくつか推薦する。
1 日本はなぜ敗れるのかー敗因21か条
この本を購入したのはだいぶ昔であると思う。
ただ、今でもこの本を買ってよかった、今でも参考になる部分が少なくないと思っている。
この本はどんな書籍か。
簡単に言うと、「(アジア・)太平洋戦争でなぜ日本が敗れたのか」、この点について日本人論を用いて分析した本である。
なお、本書では、故小松真一氏の『虜人日記』を参考にしている。
例えば、タイトルに「敗因21か条」とあるが、21か条を掲げたのは故小松真一氏である。
その一部を紹介する。
(以下、『日本はなぜ敗れるのか -敗因21か条』の35ページより引用)
日本の敗因、それは初めから無理な戦いをしたからだといえばそれにつきるが、それでもそのうちに含まれる諸要素を分析してみようと思う。
一、精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、すべて精兵でなければできない仕事ばかりであった。
(中略)
五、精神的に弱かった(中略)
六、日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する
七、基礎科学の研究をしなかったこと
(中略)
十、反省力なきこと
十一、個人としての修養をしていないこと
(中略)
十六、思想的に徹底したものがなかったこと
(中略)
二十一、指導者に生物学的常識がなかったこと
(引用終了)
私がこの本をよいと思う理由は、現在でもこの分析は使えるからである。
また、国家だけではなく、個人においても適用できる部分があるからである。
例えば、私はとある世界を見ていて、この敗因21か条のいくつかが適用できるのではないかと考えた。
その世界も日本人によって構成されている世界なので、成立しても別段不思議ではない。
また、それを非難する気もない。
また、この本を読んでいて、「これは私にもあてはまるのではないか」と思うことがあった。
具体的にあてはまった項目については伏せるが、私の失敗(私の人生、失敗しかないが)いくつかがあてはまった。
これまた、私は日本人であるから、別段成立していてもおかしくない。
というわけで、この本では先の戦争の反省を行っているが、人によっては「この点は、今でもあてはまる」とか「この点は、私もあてはまる」と考える部分がある。
その意味で、この本は有用である。
そういう意味で私は真っ先にこの本を推薦する。
2 空気の研究
次の書籍も山本七平氏の書籍である。
日本ではよく「空気」という言葉が使われる。
もちろん、この「空気」とは酸素と窒素が1:4の配分で混合されている大気のことを言うわけではない。
「空気が読める」、「空気を読めない」などで使う意場合の「空気」である。
本書はこの「空気」について色々な分析がなされている本である。
この点、本書は三部構成となっている。
まず、第一部で「空気」についての分析が書かれている。
そのサンプルとして、先の大戦のことや公害問題を題材に検証されている。
そして、第二部では、空気の支配から逃れる手段としての「水」に関する分析が書かれている。
ここで、「水」と書いてあるが、これは「水を差す」の水である。
最後に、第三部では、空気と水によって作られた日本・日本人に関する分析がなされている。
この点、この本は明快なことが書かれているわけではない。
また、読後感が明瞭になるわけでもない。
ただ、この本の分析は見事だと思う。
そこで、ぜひ、一度読んでほしい。
読むことで日本・日本人の背景にあるものを理解するきっかけになること間違いなしである。
以上、山本七平氏の著作を2冊紹介した。
この点、「山本七平氏について知りたい」と思った方は次の書籍も参考になるかもしれない。
この書籍は山本七平の著作を紹介しつつも、山本七平の思想について書かれた本である。
山本七平が書いた重要な書籍について触れているので、それぞれの書籍にどんなことが書かれているかをサラッと知りたい方にはお勧めである。
以上、10冊のうち2冊を紹介した。
この段階で約2000文字になっているので、3冊目以降は次のNOTEで紹介したいと思う。
では、今回はこの辺で。
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