女子高生の時、壁にもたれて座って本を読むあの子の膝で寝るのが好きだった。ペラ、ペラ、と紙の擦れる音と、一定に上下する太ももの感覚が心地よかった。 目を瞑っているのに眩しくて、眠れない。 「眩しい。」 とわたしが言う。 「はいはい。」 と言って、あの子は本を置いて、右手でわたしの両目を覆う。あの子の手は冷えていた。 騒がしい教室の中で、わたしたちだけの、お互いの呼吸を感じる時間を過ごす。 眩しくて、一筋涙が零れた。 あの子の手が微動する。 あの子の存在が、わたしには眩しい。
寂しいと、素直に言える。 どれだけ目を瞑って何かを考えて、寝よう寝ようとひたすら眠ることだけを考えていても、眠れないものは眠れない。寂しいからである。 人の心音が、体温が、声がどうしても欲しくなる夜に限って、わたしの寂しさを埋めてくれる人は示し合わせたようにラインを返さない。 寂しい 暇だったら通話したい 送るか送らないか、悩みに悩んでやっと送った二文は、既読にならないまま朝を迎える。寂しさのメーターはとっくに振り切っていて、このまま死ねたらな、と思う。 寂しさを紛らわすた
女子高生のままで、いたかった。 女子高生がどんなに美しくて、ドロドロで、汚くて、可愛いのかなんて気づいたのは、髪をピンクにした時だった。女子高生を浪費して、惰性に過ごしておいて今更、虫が良すぎる話だよね。 取りこぼした女子高生の夏休みを、今更虫取り網で捕まえても、残るのは悔恨だけだった。「黒髪に戻りたいね。」なんて惰性で呟いても、もう毛髪は痛み、うねり、かなりのダメージが伴うから辞めた。ヴェースピのディベルティメントと真剣に向き合った高校三年生の夏休みは、思い出そうとしても
女子高生だった時大嫌いだった自分が、''わたし''の要素が、わたしの中から消えていく。今こんなに好きな''わたし''は偽物で、ほんとうのわたしは女子高生の時の、わたしが大嫌いだった''わたし''なんだと思う。 つよくなったね。( ߹ᯅ߹)
1.小説(小川洋子や中山可穂、江國香織を中心に、なんでも幅広く読む。いちばん好きな本は「薬指の標本」。今は、カフカの「変身」を読んでいる。) 2.クラシック(ブラームス、エルガー、サン=サーンス。リスト。ロマン派が好き。中学の時の部活の顧問の影響。) 3.服(俗に言う''地雷系''の服ばかり着ていたけれど、見聞を深めるためにも最近はy2kやロリータなどいろいろ着ている。普通の服は着たくない。普通は嫌なので。) 4.メイク(中学生の時から自分の顔が酷いコンプレックスで、メイクで
来たことない土地の匂いに懐かしさを感じること。 ふとした会話の一部分で、貴方を思い出すこと。 思ってもいないタイミングでのフラッシュバックは、酷く心を締め付ける。貴方の匂いによく似たボディソープを、ちまちまと使っていたことを思い出した。匂いを感じるには使うしかなく、比例して無くなっていくボディソープは、メーカーが分からずじまいだった。 匂いは、奥底の、脳髄にこびりついた記憶を思い出させる。可愛いあの子の使っていた香水は、時折わたしの大脳辺縁系を刺激し、扇情的な気分にさせる。
小さい頃は、深夜2時や3時は存在しないものだと思っていた。夜はばけものとおもちゃたちの時間だと思っていた。いつからだろうか、深夜を誰かと通話して過ごし、眠剤を飲み、朝方に眠る。白み始めた空は、白み始める、より朱色の方があっているかもしれない。朱色に滲んだ空は、あの夏の、隣の家に住む女の子の頬を彷彿とさせる。 好きな曲を一曲再生した。二曲目からは似たような、知らない曲が流れ始める。数曲その時間があった後に、なだらかにピアノで演奏されるクラシックが流れ始めた。わたしはそういう人
いつ死んでもいいように、部屋の掃除だけはやっておかなければならない。血まみれのティッシュや、カッター、煙草の吸殻、懺悔など、隠したいものばかり。この部屋にはわたしの希死念慮がギッシリ詰まっている。 お互い白い息を吐きながら、寒いねと言いながら話し続ける夜はいくらあっても足りない。赤くなったバッテリー残量と比例して、貴方の頬も赤くなった。ああ愛おしい。手を繋ぎたいな、と思い、辞めた。わたしにそんなことできる勇気は無くて、せいぜい寒いね、と呟いて少し近づいてみることしかできなか
ピンク色のビニールが被さった左手首だけが、わたしの救いだった。貴方が撫でてくれた日からずっと、もう切らなくていいんだよって言ってくれた日から、わたしは貴方という泥沼に、 わたしが高校生じゃなくなっても、貴方は愛してくれますか。制服がコスプレになっても好きでいてくれることが、好きでいられることが本当の恋愛だと思う。ぽっかり空いた隙間は、おそろいのキーホルダーや、マフラープリなんかじゃ埋まらない。もっと深いことをしないと。例えばベロチューなんか、どうですかね。 臭いことを書き
中1の時、初めて手首を切った。 部活の先輩との不和がきっかけだった。カミソリで、躊躇い傷を何本か付けて、見せつけるように絆創膏を貼った。 中2の時、脂肪が見えた。その傷は今も消えなくて、時々呪いのようにドクンって鳴るから、とても厄介。 中3の時、初めてオーバードーズをした。ブロンを60錠飲んで、その時大好きだった先生に心配されたかった。フワフワして、ドクドクして、頭が馬鹿になる感覚を知った。馬鹿になれた。 高2の時、100錠飲んで、病院送りになった。精神科を勧められた。鬱病に
もう3年経ちましたが、まだせんせいのことが忘れられません。恋愛とか、そういう感情じゃなくて、わたしの根底にせんせいの存在がずっとあって、太くて長い根っこになって、もう抜けないと思います。せんせいの言葉は、ままも、精神科のせんせいもくれなかった、わたしだけの、特別な言葉です。本心じゃなくてもいいです。口からでまかせでもいい。思ってなくてもいいです。せんせいがわたしにくれた膨大な時間は、嘘じゃないからです。ただの一生徒でいいんです。自傷癖があって、鬱病で、変わり者の生徒がいたって
わたしが好きなもの、本、音楽、刺繍、その他有象無象。だれにも真似されたくないけど、わたしだけがソレを好きなのもちょっと物足りなくて、幾つもだれかにオススメしたりします。好きになってくれても、くれなくても、オススメしたその先はどうでもよくて、ただわたしが人とは違うナニカを手に入れて、噛み砕いて、わたしはこんな素晴らしいものが好きなの、とだれかに自慢したいだけなのだと思います。 大変影の薄い幼少期を過ごしました。まず見た目がかなり酷く(これは今も変わらないと思います。)、先生に
わたしのカメラロールのすみっこにいた写真たち カメラロールの写真って、 いつまで経っても消せない。
幸せについて考える時がある。ケーキを食べた時甘くておいしくてしあわせだなーって朧気に思った。そういうしあわせの元でわたしはギリギリの呼吸をしている。たとえば、毎日ケーキが出てきたら毎日しあわせなのかな。毎日しあわせだったらそのしあわせに飽き飽きして、きっと次はふしあわせを求めてしまうバカだから、時々がいちばんちょうどいいな。 ぱぱとわたしの左手の形がまったく一緒で、ふたりで大笑いした。中指の第一関節が少し右に曲がっていて、指が短くて、関節が太い。ぜんぜんかわいくないしイヤだけ
1回もプールに入らなかったこと プールサイドで過呼吸になったこと せんせいに、心配されたこと 夜中にコンビニまで走って、カッターを買ったこと 長かった髪をバッサリ切ったこと 大切な人とお別れしたこと この世でいちばん愛したせんせいに、リストカットの跡を見られてしまったこと その上を優しく、撫でられたこと わたしがいるからね、もう切らないで、と言われたこと せんせいに、心配されたこと ずっと長袖を着続けたこと どうしようもなく暑かったこと 結局、諦めて半袖を着たこと せんせ
わたしが飛び降りようと思ったけど背丈が足りなくて移動させた机は、2日経ってもまだわたしが移動させた位置のままだった。わたしの希死念慮は、落ち着いた筈だったのに、ただソコに取り残されていただけなんだと実感した。 わたしのことを好きでいてくれる人がちょっとでもいることを知った。人間がいらないと思う全てが備わっているクソみたいなわたしでも、離れないでいてくれてありがとう。あまりにも限界なので精神科に行って、自分の思いの丈をこれでもかと吐き出してみたら、自分が大切に思っている人以外の