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ダイエットに必要な知識「ホメオスタシス」と「アロスタシス」とは?
はじめに
こんにちは、もんてです。
今回は継続や習慣化に関する脳の構造を「ホメオスタシス」と「アロスタシス」という概念からお話ししていきます。
ホメオスタシスとは?
ホメオスタシスとは、身体の状態(呼吸、血圧、心拍、空腹感、喉の乾き、血糖値など)を一定に保つことを言い、日本語では「生体恒常性」と呼んでいます。
外的なストレスによって生命維持に欠かせない機能が平常ラインから逸脱すると、体は抵抗し、元の正常値に戻ろうとする生理作用が働きます。
ホメオスタシスのおかげで、われわれの生体リズムは一定に保たれており、健康維持につながっています。
いくつか例を挙げましょう。
血糖値の場合、何かを食べることでエネルギー(糖)が体内に取り入れられるため、一時的に血糖値は上昇します。
すると脳は上昇した血糖値を感知すると、血糖値を下げて元に戻すよう命令します。
この命令は膵臓がインスリンを分泌することで行われます。
反対に空腹の時は血糖値が低くなり、膵臓から今度はグルカゴンが分泌されて血糖値を元に戻そうとします。
他にも、真夏にランニングなどで体を動かすと、体温が上がり基準値の37度を越します。
すると、体温をこれ以上上げないようにするために、皮膚の血管を広め体表から水分を蒸発させて熱を逃します。これがいわゆる汗です。
反対に寒い時は、これ以上体温を外に逃さないために、皮膚の血管を縮め筋肉で熱が生み出されて震えを引き起こします。
ホメオスタシスの特徴は、体内の機能を継続的に調整することで"安定"をもたらしています。
アロスタシスとは?
対してアロスタシスとは、ストレスなどの外的要因に対して、生態を調節することで、内部環境(呼吸、血圧、心拍、空腹感、喉の乾き、血糖値など)を安定させようとする生体機能のことをいいます。
ホメオスタシスとの大きな違いとして、アロスタシスには必要なことや事前に起こりうることを「予測」し、起こりうることに「備える」機能を持っています。
加えて、短期的な未来(季節のサイクルという)と長期的な未来(人生規模での変化)を見据えていることも特徴です。
アロスタシスの例もいくつかご紹介しましょう。
ランニングを習慣にすると、はじめは1キロも走れなかったのが特に難なく3キロ走れるようになるといったことです。
筋トレの場合だと、例えば、はじめはダンベル3キロを片手で持ち上げられなかったがのが5キロのダンベルでも持ち上げられるようになるといったことです。
短期的な未来の変化の例として、冬から春になると日照時間が長くなり日差しも強くなります。すると、皮膚のメラトニン色素を増やして日光から肌を守ろうとします。
反対に秋から冬に近づくにつれて、体温を維持するために脂肪を溜めるようになります。
長期的な未来の変化についての例は衝撃的ですが、生まれた時の赤ちゃんが低体重だと脂肪を蓄積しやすい体になります。
胎内で十分な栄養が与えられていないと、「胎児の体は誕生後も栄養が少ないだろう」と脳が予測することに由来します。これは決して病気や機能不全ではなく、アロスタシスがなせる調整という機能なのです。
おわりに
ダイエットを始めたばかりの最初の1,2週間は食事や運動を変えて頑張ってもホメオスタシスによって体重がほとんど変わらないようにできています。
そのため、「工夫したり、続けているのに全然痩せない」といったことがよくあり、ここで挫折する人が多いです。
しかし、数週間続けることでアロスタシスが働き、次第に変化が現れてきます。
例えば、今まで1日2000kca摂取していた食生活を1700kcalにまで減らし続けると次第に、「1700kcalしか体内に入ってこない」と脳が判断し、脂肪を燃焼させようとします。
ホメオスタシスとアロスタシスという考えを知っておくことで、ダイエットに対して長い目で考えられるようになり、挫折もしにくくなると思います。
ホメオスタシスとアロスタシスをうまく活用することで、自分の理想の姿を追求しやすくなりますので、是非この2つの言葉も押さえておいてください。