経験を買わなくなった年。
一年半前、休学する前にはお金で経験をたくさん買っていた。
会ってみたい話題の人のイベントにいったり
はたまた旅をしてみたり。
日本も海外もたくさん旅をした。
休学して旅なんてしてたらいろんな人に
「なんで旅してるの?」
ってきかれたりすることは日常茶飯事。
世界一周したって経験が欲しかったり、好きな場所を探したり、考えれば考えるほど言い訳みたいな理由が山ほど出てくる。
半年前、休学が終わる頃には国数で言うと42か国も行ったらしい。
40か国超えたあたりからもう旅いいやってなるよねーなんてカンクンの宿に向かうバスの中で、偶然再会した友達と話したりした。
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別に薄い旅だったとは思わない。
たくさんの物を見たし、たくさんのことを考えた。
でも、もういい。
ただ、あの頃と違ってもう海外も旅も興味がなくなったのに、今年は年越しにヨーロッパにいく。
また経験を買うんだ、と思った。
年越しパリはずっと夢だったけど、年越しという経験を買うのはなんとなく気が乗らなかった。
経験はいつだって私を幸せにはしてくれなかったということに気づいたから。
その瞬間は楽しいけど、うまくいかなかった日に慰めてはくれなかった。
思い出は過去の一点でしかなった。
かわりに幸せにしてくれたのはものと空間だった。
お気に入りのブランケットは去年のブラックフライデーでNYで買ったもの。
お気に入りのお皿はフィンランドのサンタ村のマリメッコで大人買いしたもの。
お気に入りのガウンは両手いっぱいになるほど紙袋分、ヴィクトリアズシークレット買ったもの。
お気に入りのベロアのかわいいFURLAのカバンはウッドベリーで買ったもの。
たくさんの土地で自分の好きを集めてきた。
そして、その土地を好きになってきた。
そんな雑貨たちに囲まれる生活は、落ち込んだ日もすこしテンションを上げてくれた。
好きなものに囲まれた「状況」を手に入れるのは、想像よりも幸せなことだった。
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今の家は空間の広さを重視して選んだ。
NYでもアデレードでもベッドから起きられないほど病んだのは部屋が暗かったり狭かったという共通点があったから。
そんな時に広い空間を丁寧に使った美術館にいくとこころがじわっと回復していくのがわかりやすく面白かった。
空間に色を、表情を、余白という余裕を持たせたらきっと幸せなんだろうなと思いながら今の家のインテリアを半年間考えた。
この家に来てからびっくりするほど明日が楽しみになる日が増えた。
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あまりなにかにはまることはないけど、最近はエトレトーキョーというブランドのディレクターのJUNNA(https://instagram.com/junna?igshid=r9zvb5rgi3l5 )さんという方の空間の使い方が好き。
広い部屋にシンプルにセンスの良いインテリアからこだわった小物が置かれているのがインスタやブログにアップされる。
パリに打ち合わせなどにいってブランドに取り入れているというのを読んだ。
パリにいきたいと思った。
毎日その色に元気付けられているから。
まだまだ身をおいてみたい状況はたくさん。
自分の好きも、まだたくさんこの街に落ちているのかもしれない。