「駐車場での些細な出来事」
※2007年11月17日の日記より
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自宅を出て、借りている駐車場に向かって歩いている途中、知らない男の視線を感じた。
ヘルメットに作業服。電気工事でもしている人かな? と思ったが、なんでこちらを見ているのか分からない。
気にするほどのことは無いと思い、そのまま車に乗り込んで発車。
(でも、なんだか薄気味悪い)
用事を終えて駐車場に車を戻し、車を降りると、くだんの男がいきなり不機嫌まる出しの顏で突っかかってきた。
「あんたのクルマが邪魔で・・・」
どうやら、自分の請け負っている草刈作業を進めるうえで、僕の車が邪魔になるらしい。
(たぶん、不法駐車かなんかだと思い込んでいたのだろう)
労務者風のその男の言動は、まるで子供のように礼儀を欠いた粗野なもの。
僕は、この年齢にして(当時51歳)、精神的には大人に成りきっていないので、こういうケースでは強い口調で相手をやり込めてしまう。
― ここに私の車があることで、あなたがやるべき作業が妨げられている。
そういうことなんだろう?
あなたが、何をしようとしているのかは知らない。だが要するにあんたは、自分の都合で他人を動かそうとしているんだよ。
だったら、
「すみませんが、○○しなければならないので、この車を、少し移動させてください」
普通にそう言えばよいだろう?
そしたら、私は「はい、わかりました」と、車を動かすよ。
それで済むんだよ。
いきなり、相手を責め立てるようなことを言ってくるな!
私は、金を払ってこの場所を借りて駐車している。
大家さんから、この位置に停めてくれと言われてそうしているんだよ。
それだけのことだ。
あんたがやろうとしている作業が終わったら、この車をまた元の位置に戻さなければならないんだよ!
自分がやっていることの意味が分かっているのか? ―
ここまで一気に早口で畳み掛ける。
僕の悪い癖である。
「はい、わかりました」
男は、さっきとは打って変わって情けない顔になり、身をすくめながらそう答えた。
その惨めな姿を見て、
― あ・・・、そこまで責める必要は無かったかな・・・
そこまで言う自分も、なんか変かもな・・・ ―
と、一呼吸遅れて、反省する事態と相成る。
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これに類することがたまにある。
良いことではないと思う。
もっと普通の口調で、穏やかに相手を諭す。
そうすべきだよなぁ・・・。
そう思うが、
たぶん、現世中には無理かなぁ・・・。
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この日記から17年。現在の自分はどうなっているか、振り返って考えてみると、
基本姿勢は変わっていないかなぁ・・・。でも、語調の激しさはこの頃ほどじゃなくなったかな・・・。言葉の勢いで相手を圧倒するようなことはしなくなっていると思うけど、どうかなぁ・・・???