「朝崎郁恵/うたばうたゆん」
故郷鹿児島にUターンしたのが2003年。47歳の時。それまで住んでいた長野県上田市で築いていた仕事やそれ以外の様々な人との繋がりがリセットされ、すべてをゼロから構築しなければならなりませんでした。
人との繋がりを求めて、中学や高校の同窓生へ電話をかけまくり、飲み会を開いてもらったりしたものです。同じく、人との繋がりを求めて、当時ヤフーが運営していたチャットを利用し、ユーザールームを開設したのは、帰郷後2年目のことでした。
部屋で流すための音楽をあれこれと探すことによって、それまでとは、また違った音楽嗜好を持つようになりました。
そんな頃の公開を前提とした日記から、一部をご紹介。
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2005年11月5日 土曜日
昨年の4月からヤフーチャットでユーザールームを開くようになったのですが、「それ以前」と「その後」では、聴く音楽の範囲が微妙に変わってきました。
ジャンル・フリーで流している部屋のタイトルが【♪聴きながらゆったりと…】なので、そのテーマに沿ったものを探しているうちに、自分にとって、それが一つのジャンルであるかのような、ぼんやりと形をなしてきた感じです。
そうやって知ったものの一つに朝崎郁恵さんの歌があります。
1935年生まれですから、今年で70歳(2024年11月現在89歳)。今なお「奄美の歌姫」と呼ばれるスーパー・ヴォーカリスト。
その声は、決して美声と言える類のものではなく、ざらざらと無骨な感じさえしますが、単純に旋律を辿るような歌い方ではなく、自由度が高く、そして発声法にも幅があり、誰にもまねのできない独自の境地に達しています。なんだか、波音とか、動物の声とか、風の音とか、そういう自然環境の中に存在する音と同じように心をゆさぶるんですよ。
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今聴き返しても、変わらず心に響きます。
心の根源的な部分に触れてくるような感じ。「魂を揺さぶる」という表現がぴったりです。