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「不思議な球体の夢」
上空を見上げると、そこに不思議なサイズの天体らしきものが見える。
見かけのサイズは、太陽がもしテニスボールぐらいだとすると、ゴルフボールぐらい。
地球のような青い色で、雲らしき白い紋様がクルクルと回転している。もし、それが天体だとしたら、凄い速度だ。
僕はマンションの6~7階の1室にいる。見覚えのない部屋だ。
そこに男女数人。30代から40代くらいか・・・。
現実空間では見たことのない人たちばかりだが、夢の中では前からの知り合いのようだ。
ちょうどこれから食事、というタイミングらしく、ダイニングテーブルに徐々に集まってきている。
再びベランダの外を見ると、さっき上空に見えていた天体らしきものが、目の前にふわふわと浮かんでいる。
遠近法も質感もデタラメで、上空にあれだけでかく見えていたのに、直径1.2mほどの大きさに縮み、ツルツルとした光沢を放っている。
よく見ると、大きな地球儀だ。
まるで命を持った風船のように、気ままに空中を飛び跳ね出した。
面白いので、その様子をしばらく見ていたが、その動きを見ていると、どうも意図的にこちらから見える範囲内だけを動き回っているようだ。
そこで、はたと気付く。
「たぶん、こいつは、僕に会いたがっているんだ!」
窓を開けてやると、案の定、そのでかい地球儀は部屋の中に飛び込んできた。そして、ダイニング・テーブルの上に、すっと着地。
地球儀の上には、いつの間にか籠が乗っかっていて、そこに料理が盛られている。
天空から降りてきて、しかもあれだけ動き回っていたのに、なぜ綺麗に盛られているのか不思議だった。
見るからに美味そうだ。
その一部を皿に取って、僕はそれを食べ始める。
大豆やらヒジキを煮た和風のお惣菜だった。
そこで夢は消えてゆき、僕は目覚めた。
「変な夢!」
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起き上がって朝刊を広げると、第24面で目が止まった。二千六万円という純金製サッカーボールが、写真付きで紹介されている。
ページをめくると、第20面で、また目が止まった。
見出しは「ビックリ」になっていて、通常の卵より一回り大きい120グラムの鶏卵が、これまた写真付きで紹介されていた。