「あれ??」
その前日、駐車場の整理員さんと言葉を交わした場所とほぼ同じ地点で、小さな子供を連れた若いご婦人の手荷物の中から、子供用の毛糸の帽子がふわりと落ちました。音のするものではないので、お母さんはそのことに気付かない。
「あ、落としましたよ」
そう呼びかけた後、小雨降る中、その小さな帽子を拾い上げて渡しました。
「すみませーん。ありがとうございます」
ただそれだけだったら、わざわざ書き残したりはしなかったでしょう。二日続けて全く同じ場所で、見知らぬ人と言葉を交わすことになった。
偶然とはいえ、
一瞬
「何だろうこれは?」
と不思議に思ったのでした。
この場所には、人が言葉を発するようになる、目に見えない「気」のようなものが流れているのだろうかと・・・。