私の一番好きな漫画「先輩はおとこのこ」について語りたい
「先輩はおとこのこ」が大好きなんです。
この漫画について、語らせてください。後生だから。
好き、または影響を受けた作品について、何かひとつプレゼンしてもいいのなら、私は迷わず「先輩はおとこのこ」を選ぶ。
現在アニメ放送中で、知ってる方も多いから私が今さら布教するものでもないかもだけど、どうしても語りたいんです。だから語る。
※肝心な所は伏せていますが内容にかなり触れているので、ネタバレあかんって人は今もうその足(指?)でLINEマンガへ!!!!!お願いします!!!!!!!今(2024/7/18)なら23話無料だ!!!!!!!!
1.はじめに
まず、「先輩はおとこのこ」というタイトルを見て、どんな漫画を思い浮かべますか?
~シンキングタイム~
「おとこのこ」を「男の娘」と変換できた方はイメージしやすかったかもしれないですね。
そう、ぱいのこ(先輩はおとこのこの略称)は、女の子の格好をした男の子が主人公の恋愛漫画です。
も~~~~うみんながはちゃめちゃに可愛い。男の娘を愛でるもよし、ラブストーリーを堪能するもよし。
ただ、ただね。
この作品、想像よりもずっとずっと奥深いお話です。別にセクシャリティとかそういう小難しいのは関係なく。
全てのひとの人生のバイブルになる作品だと私は思います。
「先輩はおとこのこ」の良さっていっぱいあって、例えば作者のぽむ先生の絵のタッチが可愛さと美麗さあわさってすんごいとか、縦スクロールの使い方が上手すぎるとか、コマのひとつひとつまで意味が散りばめられているとか。
だけど、今回はストーリーの凄さ、良さに焦点を絞って語りたいと思います。
2.登場人物紹介
まずはざっくりと主要人物の紹介をさせてください。
[花岡 まこと]
可愛いものが大好きな高校二年生のおとこのこ。穏やかで優しい性格。
学校ではロングウィッグにセーラー服と女の子の格好をしているが、母親には可愛いものが好きなことを隠し、学校外では男らしく振舞っている。
[大我 竜二]
まことの幼馴染で、面倒見のいい性格。そのため咲からは「師匠」と呼ばれ慕われている。
まことのよき理解者であり親友であり……。
ピアスを付けていてちょっとチャラそうな見た目に反して成績優秀。
[蒼井 咲]
元気いっぱいで天真爛漫な高校一年生の女の子。
誰とでも仲良くなれる性格で友達が多い。
まことのことを女の子と勘違いし告白して、男の子だと知る。
3.あらすじ
物語は、主人公のまこと先輩が後輩の咲ちゃんから告白されるところから始まります。咲ちゃんは女性の先輩だと勘違いしまこと先輩に告白するも、「本当は――男の子、なんだ」と伝えられます。
このことは学校ではかなり知られており、男子生徒から
「おい、あんな美人うちの学校にいたっけ?」
「バカ お前知らないのかよ。二年二組の有名なヤツだろ」
と噂されています。咲ちゃんは一年生だから知らなかったんですね。
でもそれで引くような咲ちゃんではなく、
「つまり男バージョンの先輩と女バージョンの先輩をたのしめるってことですか!?」
と肯定的(?)な反応。
結局告白の返事はNoでしたが、
「私が先輩の初恋の人になってみせます」
とあきらめない咲ちゃん。これをきっかけに、二人はお友達として仲良くなります。
そこに現れたのがりゅーじですね!最初は咲ちゃんに対し、
「怪しいんだよ、お前。まことが女装なの知ってそれでも好きって言ってるんだって?」
「時々いるんだよ。遊びや罰ゲームでそうやってまことに近付いてくるやつ」
と警戒していましたが、すぐに仲良くなります。仲良くなる過程がはちゃめちゃに可愛いんですが、そこはLINEマンガへgo!
4.キラキラしてるだけじゃない、青春全開のストーリー
クスッと笑えて微笑ましい三人のやりとりと淡い恋心をベースに進んでいくこの物語は、イラストの素敵さも相まって青春全開!!って感じです。
けど、それだけじゃないんです。
先程上でも引用したりゅーじの台詞、もう一度取り上げますね。
この台詞から少し想像がついてしまう、まこと先輩の苦悩……。
この他にも教師やクラスメイトから腫れ物のような扱いを受けるシーンも実際にあり、心が痛いです。しかもそのシーンのリアルさがすごい。
例えば、教師が日直に資料を取りに行ってと頼むシーン。
この過剰な気遣い、その辛さ。
まこと先輩がぎゅっと拳を握る描写は痛々しいほどです。
だけど、それを支えてくれるのは咲ちゃんとりゅーじ。
この三人の関係が、本当に素敵なんです。
5.「好き」と向き合う
またまた引用ですが、次のまこと先輩の台詞をご覧ください。
こちらは買ったドレスやハイヒールをゴミ箱にぶち捨てるシーンです。
この台詞の前の、ロッカーの下敷きになったドレスを無理に引っ張ってちぎる描写はすさまじいです……。
「男のくせに」
この言葉、想像よりもずっとずっと重たい言葉なんです。
だって、自分の全てを否定する言葉だから。
可愛いものが好きな自分。
それを異物として許さない環境。
この葛藤が本当にリアルで、苦しくて。それでも、まこと先輩はちゃんと前に進もうとするんです。
好きなものを好きなままでいることの難しさ。
自分の好きに嘘をつくことも、好きを好きでいることもどちらも苦しい。
それでも、まこと先輩は決断したんですね。
そう、「先輩はおとこのこ」って、「好き」と向き合う物語だなって私は思います。
今回紹介したのは「先輩はおとこのこ」の中の一部で、全然これが全てじゃないです。他にもそれぞれの葛藤や苦悩があって、それに向き合っていく姿が描かれています。
そんなみんなの姿を見ていると、今を生きる勇気がもらえる……そんな作品です。
6.余談
実は私自身、「先輩はおとこのこ」を読んで人生が大きく変わった人間です。
私もまこと先輩と似ていて、可愛いものが好きな男です。
自分の見た目も、かっこいいよりかわいいにしたい。
でも、「そんなの変だから」って、ずっと我慢していました。隠せていたかはさておき。
私がぱいのこを読み始めたのは、実はここがきっかけでした。
「まこと先輩、私と一緒だ!」
自分と似た境遇の人物がどう生きていくのかが気になって、連載を追うようになりました。
そして今私は、髪を伸ばしてメイクもして、格好もどちらかといえば女性用を着用することが多いです。自分の好きな格好ができています。
これはまこと先輩から勇気をもらえたから。
「好きなものを好きなままでいたい」って思えたから。
正直、周囲の風当たりはまあまあ強かったです。
だから、ぱいのこで描かれていた周囲の反応ってものすごいリアルだなって身をもって知ることができました。
それはまあ私の出身が地方だったので、そういうのが受け入れられにくかったっていうのもあるかもしれないです。でも、上京してきた今でも奇異な視線を向けられることは多々あります。
そんな時、いつもまこと先輩の言葉がお守りになるんです。
この台詞、空で言えるくらい何度も何度も繰り返し読んだ。その度たくさん泣いた。
今の自分が本当の自分なのかは、まだよくわかっていません。
でも、前の私より胸を張って「私だ」と言える。
ぽむ先生のおかげです。
本当に本当に、ありがとうございます。
7.おわりに
思ったよりも長くなってしまいました。
ここまでお付き合いいただいた方がいましたら、本当にありがとうございます。
さて、「先輩はおとこのこ」本編は完結しましたが、今はなんと!「出会い編」通称「であいのこ」連載中です!!
であいのこで回収される本編の伏線もあり、めちゃめちゃ素敵なのでぜひこちらも!!ぜひ!!
最後になりましたが、こんな素敵な作品を生み出してくださったぽむ先生には感謝してもしきれません。
改めて、本当にありがとうございます。