【日記】家(少々閲覧注意)
朝、トイレに入ったとき、右手の薬指に切り傷があることに気付いた。なんとなくひりひりするな、と思ったら、若干血が出てるくらいの傷があった。まだ血が固まってないから、少なからず起きてから付いた傷だと思うのだが、何で切ったのか検討がつかないのでとりあえず放置した。
昼、トイレに行こうと思ってトイレの扉を開ける。私はこの時、トイレの扉が壁にガンッてならないように扉に手を添えるようにしている、無意識に。その時に、薬指にピリッと痛みが走った。
怪我の写真があるので若干閲覧注意
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薬指を見たら、綺麗な✕印が付いてた。ちょっとかっこいい。
なるほど、私はここで指を切っていたらしい。扉の縁を見ると、塗装?が剥げかけていてささくれのようになっていて、そこに微量ながら赤色が付着していた。わあ。
私の住んでる家は、まあまあ古い。広くて家賃の安い家を探していたので、築年数はさすがに譲歩せざるを得なかった。前住んでた家が新築だったので、正直今の家で過ごしてて(ぅぉ……)と思う瞬間はままある。トイレの水の流れの悪さとか、引き戸の歪みとか、引っ越し初日に取れたドアノブとか色々。でも最近はすっかり慣れて、そういうのはほとんど感じなくなっていた。けど。
久しぶりに、我が家は古いなぁと感じるエピソードに遭遇してしまったな。
まあまあ、不便さを感じるとは言え古い家は嫌いじゃない。
よく言われる話として、家は「聖域」であり他者や人ならざるものから侵害されないものだ……というもの。というか価値観。近代あたりから、その聖域を侵されるというタイプのホラーが出現し始めて、人はそこに言いようのない不快感と恐怖を感じると。
古い家って、その感覚が薄れるなと私は思う。上記で述べたようなささくれひとつとしても、その小さな綻びはいつか何かの侵入を許すものになり得る気がする。故に、古い家で多少の不思議が起ころうとも、それは不思議ではないと思ってしまうのだ。その綻びひとつひとつに、不気味な現象があるかもしれない。それに対して、私は不思議と不思議ではないと思い込んでいるから、気付いていないだけなのかもしれない。それなら、今のうちから我が家で起こったら嫌な現象を想像して備えておいた方が……?
……みたいなことを考えるのが楽しい。好き。だから古い家は嫌いじゃない。
例えば、我が家にはポストの受け皿がない。地面に散らばった郵便物を拾う度に、夜中トイレに起きたときに、そのポストから手が伸びて空を弄っていたら嫌だな、怖いなと思う。
例えば、我が家のお風呂場には何故か壁紙?リメイクシート?(防水)が貼られている。内見したときからあるものだ。他の部屋にはそんなものは貼ってなかったので不動産屋さんに尋ねてみたが、答えは得られなかった。
それが、最近角が剥がれかけている。もし、思い切ってべりっと剝いだら。内側に、力まかせに何かの汚れを擦り落としたであろう無数の傷が壁一面に付いていたら。それはちょっと嫌なので、角は丁寧に貼り直した。
例えば、我が家は上の階から子どもの走り回る音と声がよく聞こえる。たまにずべっと転んだ音のしばらく後に泣き声が響いて、あーあー転んじゃったねぇと微笑ましくなる。
ただ、私はこのアパートに引っ越してから一度も小さな子の姿を見たことはない。引っ越しの挨拶したときですら、上の階は若い男性が対応したのみだった。そもそも、まあまあ古い家とは言え、そんなに泣き声が響くものだろうか?もしかしたら、子どもの気配を感じ取っているのは私だけなのかもしれない。
例えば、寝室の押入れは建て付けが悪くて開けるのにかなり力を要する。なので基本的には閉めっぱなしにして目の前に本棚を置き、開けやすい片方の襖のみを活用している。が、たまに朝起きるとその襖が数センチ開いていることがある。原因はよくわからない。
ある日の夜、ぎぎっという音とカリカリと何かを引っ掻くような音で目が覚めた……という夢を見た。夢だと思う。
朝、押入れは数センチ開いていた。カリカリという音が脳内に思い出される。本棚の押入れに面している方は、何かしらの傷が付いていたら嫌なので確認していない。
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