2024/08/12の早くに目が覚めて

立派に立ち上がった米粒が輪になって陸上トラックを浮かび上がらせている。オリンピックゲーム? いや、走るものは誰もいない。

米粒は炊飯以前以降にやや曖昧に分けられるがそれらはみな以前の側であり、気になるのはいつふっくらとするのかあるいはみなちゃんと立ってくれるのか。トラックの周囲に観客席はない。暮れていく月・激しい暁を遮る天幕もここは荒野なのか関係がない。大事なのは米粒さんたちの方なんだって言ったよね。言っていない。言っていないのか。ああ然し彼らを載せた平たく乾いたその地層はそれじたい鮮明な粒子の群体だ。

私の腿を流れる疎らな毛並みを撫でると風の触感。旅程の折り返しにアパートメントを実家を台風が今ゆっくり横切っている。風の足はその大型の低気圧の周囲を円かに巡っているはずだがどうしても、その直線的な運動を近視眼的に考えざるを得ない。

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