#010 東京から24時間の島〜人間にとって大切なものがそのにはあった〜
東京・浜松町の駅に小笠原諸島へ向かう船に乗船するターミナルがある。
距離1000キロ、当時大学3年生だった私は春休みを利用して約2ヶ月間、
海亀の保全ボランティアをするために船で1日かかる島へ向かった。
(2022年、現在も移動手段は船のみ)
なぜ海亀かというと、一番好きな生き物だから🐢🐢。
実は出発前日に手首を負傷してしまい、当日は電車の中に携帯を忘れる(無事帰ってきた)という幸先不安なスタートだった。
船の中は電波ないので、寝るか読書か食事か・・・しかない。
ターミナルをでて24時間後、小笠原諸島に着いた。
海がめの保護を行なっている小笠原海洋センターにお世話になった。
ボランティアメンバーは・・・・・・・まさかの私だけだった。
1ヶ月後に新しい仲間がくるというのでそれまで1人での活動がはじまった。
2月3月は産卵や孵化の時期ではないため、餌、身長体重測定、水槽掃除、大きい亀の放流、ショップの手伝い、クジラの調査が主な活動内容だった。1人は好きだけど、独りは寂しかったが、幸いにも村の人と仲良くなったのでまだ救われた。
小笠原では、内地(本島)から食料が入ってくるのに時間がかかる。
特にタンパク質系。台風が来ればさらに遅れる。だから、島の文化として海がめを食べる。保護して食べている。収穫時期も、亀の大きさも、収穫者も全て決まっているため、乱獲しているわけではない。自然の数は守られている。
亀は美味しいので、ぜひ食べてほしい。
屠殺も手伝った。目の前で1つの命が無くなっていく・・・光景
命をいただく重みを肌で感じた。
仲間が来てからは毎日楽しかった。夜は人狼したり星が綺麗なので
散歩したり・・・まるで修学旅行のような感覚だった。
ただ、みんな生き物大好きっ子なので、魚やら昆虫やら取ってたけど
私は興味ないどころか嫌いなので、浮いてた。
島にはそこにしかいない生物がたくさんいるから、生き物好きにはたまらないと思う。
同じ日本しかも東京の離島での2ヶ月は初体験だらけで充実していた。
仲間のおかげだ。他人に迷惑をかけるなと教わるけれど、
生きている以上、人に迷惑をかけるものなのだから、
迷惑をかけないように生きるのではなく互いに許し合っていけばいい。
人は1人では生きていけない、だからこそ、協力し、助け合って、互いを大事にする。これ以上人間にとって大切なことがあるのだろうか。