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発達段階モデルからみる、「ともだち」とは

こちらのnoteでも何度も登場している、成人発達学のロバート・キーガンさん。

そして何度も登場しているのが、一番有名な Constructive developmental theoryという理論(未見の方は上二つの記事を読んでくださいね)

今学期はさらにそれを徹底的にほりまくっている。

すると、どんどん理解が深まっていくのが実感できておもしろいんだぁぁぁ

この理論、全部で5ステージあるんですが、Ways of knowingといって、おとながどんな風に発達段階に応じて物事をみているか、というものを表しているんです。そして、教育者は学習者の物の見方に応じて、サポート方法を変えていこうね、というものです。

この「物の見方」、やっぱりなかなか慣れないと違いが若干わかりにくい。

授業のなかで、教授が「友だち」を使った素晴らしい例をだして説明してくれたので、私流にアレンジしながら(アレンジしすぎかもしれない)書いてみたいと思います。

ちなみに第1ステージはちびっこ限定のものでおとなには関係ないので、第2ステージからいきます。

嬉しい時は自分のことみたいに喜んでくれてダメなときはちゃんと叱ってくれる存在こそが友達ー西野カナ的な見方(第2ステージ)

めちゃくちゃ長い見出しですが笑

この物の見方(ステージ2:instrumental)をする人は「とにかく明確なルールやアドバイスがほしい!!!

そう、本当の友達とは自分のことをちゃんと理解して具体的なアドバイスをくれるひと

好きなひとと別れそうなとき、「絶対やめたほうがいいよそんな男!!だって全然大切にしてくれてないじゃん!そんな悲しい思いしてほしくない!!」ともうむっちゃ明確に自分のことのように怒ってくれる、それが友達。

西野カナの Best friendって曲ありますよね、

ありがとう~君がいてくれてほんと~よかったよ~~~~

ってやつ。そこにでてくる、

何でも打ち明けられる ママにも言えないこと全部 誰よりも分かってくれる 嬉しい時は自分のことみたいに喜んでくれて ダメな時はちゃんと叱ってくれる存在

これめちゃくちゃステージ2にあてはまる!!!

というわけで西野カナ的なものの見方、と勝手に脚色つけました。

ずっと見守っているからって笑顔でいつものように抱きしめてくれるのが友達ーKiroro的な見方(第3ステージ)

第3ステージ、socializingの見方はもうとにかく相手にそばにいてもらいたい、支えてもらいたい、自分を大切にしてほしい、という思いでいっぱいです。

もう何も言わずにそばにいてくれ、私の考えも思いも全部ぎゅっとしてくれ、、

それでは聞いてください、Kiroroで Best Friend

時には急ぎすぎて見失うこともあるよ 仕方ない ずっと見守っているからって笑顔でいつのものように抱きしめた あなたの笑顔に何度助けられただろう ありがとう ありがとう Best Friend

あああああ、名曲ですね、、、(もういまの若いこたちは知らないのだろうか)

とにかくこのKiroroの歌詞のように、だまって、そばにいてくれるのがステージ3のひとが欲している「友達」です。

好きなひとと別れそうなとき、静かにそばでうんうんと話をきいてくれる、それが友達です。

ぶつかり合うたびまた心が破れたりほつれたりするのはもう一度新しい結び目をつくるためさーコブクロ的な見方

第4ステージになると、いろんな意見に耳を傾け、自分と違う価値観や物の見方がいるということを認識できるようになります。

そんなとき、言い合いできるくらい衝突できるひと、意見と意見をぶつけることができるのが第4ステージが求める友達です。

好きなひとと別れそうなとき、「私は引き留めなくて良いと思うよ」という意見に対して「いや、やっぱりもう一度やり直せるか話してみる!」と伝えたら「勝手にすれば」ではなく「うん、自分の思うように進みなよ!」と受け入れてくれるひとが友達です。

つまり第4ステージのひとは「あなたの意見も聞くけど、自分で決める!!」という意思に基づいています。なので、ぶつかってとしても自分の意見を尊重して認めてくれるひとを求めています。

コブクロの Million filmsという歌はおそらく恋人同士の歌詞ですが、友情にもとてもあてはまる!

ぶつかり合うたびまた心が破れたりほつれたりするのは もう一度新しい結び目を作るためさ そこに涙がしみこんだなら もう二度とほどけることのない 強さを持った絆に変わるだろう

なんて心に染みる歌詞、、

きっと僕らあの頃の僕らを超えて辿り着くーGReeeeN的な見方(ステージ5)

そして最終的なステージ5にいくと、ステージ4と同じく他のひとの見方を受け入れられるようになり、かつ他の人の意見にもオープンです。

一緒に探求して、成長しあえるような存在、それが友達です。

好きなひとと別れそうなとき、友達からのアドバイスと自分の思いが異なったとしても「これも自分が成長できるきっかけになるよね、きっと」というように共に成長していけるような存在が友達。

GReeeeNの Best friendという歌の歌詞にもそんなようなことがでてきます。

時 流れ 抱えるものも お互いいろいろ増えてきたけど 無我夢中で走ったあの頃 何もなかったけど 何よりも 何でもあった 少し忘れそうになる
さらば 青春よ そんな言葉は嘘じゃないか きっと僕らあの頃の僕らを 超えて辿り着く 最高のbest friend

いわゆるお互いを高め合える関係というやつですね。

学習者にあてはめてみると

ここまで、4つの歌詞にあてはめて説明しましたが(余計ややこしく感じたらすみません笑)、学習者にあてはめるとこうなります。

第2ステージ:具体的なアドバイスやフィードバック、ルールや正解を伝えるようにサポートする

第3ステージ:広い心で受け止めながら認めるかかわりをする

第4ステージ:いろんな意見をいいながらも、そのひとがその人の思うような意思決定ができるようサポートする

第5ステージ:いろんな見方を共有できるよう、ディスカッションの機会を増やしたりしてその人が成長できるような場を整える

たとえば、第2ステージのひとに第5ステージのようなサポートの仕方をすると学習者はものすごいストレスを受けるし、その逆も然り。

西野カナの見方からKiroroの見方に発達するには最低でも1年はかかるといわれています。

そして、GReeeeNの見方をするひとがいつでもその見方をするかと言われるとそうではなく、過去の物の見方を持ったままその時の状況によって変わるので、そこがまた複雑なのがこの理論です。


というわけで、いつにも増してわかりにくい記事になってしまいましたが、少しでも理解に繋がれば幸いです。

参考文献

Drago-Severson, E. (2009). Leading adult learning. Chapter 2. Corwin 

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