冬の目標：雪と友達になる
トロントで過ごす2度目の冬。昨年と違って今年は雪が多くて、12月頭には私の住む街でも初めて雪が積もりました。
私の故郷である奈良の小さな町では雪が積もることがほとんどなく、雪に触れる機会は子供の頃に行ったスキー場だけだったのでトロントに来て初めて雪のある日常を経験しています。
トロントでは長い冬が1年のうちほぼ半分を占めるため突然の大雪も人々にとっては日常のよう。にも拘わらず残念なことにバッドドライバーが多くスリップして路肩に突っ込んでいる車を見るのもよくある景色です。ウィンタータイヤ使わへんとか明らかに無理やん何でなん…。
昨年カナダ人の彼と付き合い始めたことをきっかけに人生が大きく変化した私なのですが、たくさんの初体験の中の一つがスノーボードでした。去年は道具を全てレンタルしていたけれど続けると決心し今年はまず自分用のギアを購入することからスタート。彼にアドバイスを受けながら、とっても美しい真っ白なスノーボードとライトグリーンのバインディング、ブーツにヘルメットと一式を揃えていきました。
自分には勿体ないような素敵なギアを手にしたもののまだ初心者なので、ランドセルに背負われているような気持ちで冬が始まりました。
趣味と思って軽い気持ちでやることもできるのだと思うけど、やはりスポーツなのでメンタルとフィジカルのトレーニングが必要。彼はとても情熱的にスノボに向き合っているので、熱血コーチの指導の下、私も真剣に上達する必要があります(笑)
だけど昔からマイペースで要領よくやってしまうタイプの私には着実に確実に忍耐強くトライする根性が備わっていなくて、まず精神的にとても苦労しました。
そもそも雪を見るとまずなんとも言えない恐さを感じていて「楽しい」なんて思えなかったしスピードも制御範囲を超えると恐怖だし、とにかく転びまくるのだけど理由が分からず混乱するし痛いしで、やりたいからやってはいるのだけれど、修行。
今シーズンは車で1時間半程のスキーリゾートのシーズンパスをゲットしたので平日の仕事終わりに数時間練習することもあり、たぶん今で10～15回ほど行ったことになります。
ほんとに最近、やっと最近ようやく感覚がつかめてきて、スピードにも慣れてきて、ついに「楽しい」も少しずつ感じられるようになってきた気がしています。長かった…。
恐さで緊張して見えなかった雪景色も、落ち着いて見渡してみると言葉にできないくらい美しい。冷たい夜の風に舞うキラキラした雪も、新しく積もったまっさらでふわふわの雪も、転んだらめっちゃ痛いけどガリガリの氷っぽい雪でさえ本当にきれい。
ボードと仲良くなって自分の身体を理解して、ちゃんと滑れるようになれば自然を楽しむことができるスポーツなのでとっても素敵だなと思います。
こんな機会が人生に訪れるとは想像もしていなかったので本当にラッキーだと思います。長い冬だけれどあっという間に過ぎてしまう気がするので雪と仲良くなれるように一瞬一瞬を大切にがんばりたい。
この冬、私はトロントでとっても貴重な時間を過ごしています。