レクサプロがうつ病に効くかどうかは運しだい
こんにちは。中瀬一菜です。
「はてなブログ」の方では、大人の事情で「某抗うつ剤」を飲んでますとだけしか言っていなかったのですが、わたしが服用しているのは「レクサプロ」というお薬です。
今回は、ガッツリとお薬の名前を出して、わたしがコレを飲んでどうだったか体験談をお話したいと思います。
まずは、わたしの治療歴を。
わたしはドクターショッピングを経て、現在の病院でお世話になっているのですが、どこの病院でも処方箋は同じでした。ずっとレクサプロです。典型的な鬱状態でしたので、比較的新しい抗うつ剤でSSRIであるレクサプロの処方がベターだったのかもしれません。
最初は0.5錠で、治療経過によっては最大2.0錠まで増えました。なお、現在は1.5錠です。
抗うつ剤を初めて飲んだとき、その効果はなかなか分かりませんでした。
効き始めるまで時間差があるんですね。これは体質によると思います。わたしは早かったような……。一週間経った頃には効果は出ていたと思います。
薬が効き始めた頃、どんな様子だったかというと……
ただひたすら、眠かったです。
うつ病の症状として、朝起きれないというのがありますが、それとは違う眠気です。どう頑張っても抗えない。パタリと寝てしまえば気が済むまでグッスリ。夜ももちろんグッスリ。我が家のペット(世界一可愛いトイプードルのぶん太♂)のような生活リズムになりました。
ひたすら寝て過ごしているうちに、まずは疲労困憊状態だった体が元気になりました。それから、気分が上向き始めました。
……というように、わたしはレクサプロが非常に良く効いて、元気になれた人間です。
薬によって治っていく経緯について、わたしの主治医から聞いたお話が非常に分かりやすかったので、わたしなりに噛み砕いて共有したいと思います。
まず、自分の心の中に、「精神的な意味での元気の源」というのが袋の中に入っているところを想像してみてください。
嫌だな、辛いな、我慢できないななどと、ストレスを抱えてしまうと、この袋は穴が開いてしまいます。すると、「元気の源」は穴から零れてしまいます。
このとき、袋を直す(ストレス発散をする)をしなければ、穴は開いたまま。「元気の源」はどんどんどんどん減ってしまい、袋の中はすっからかんになってしまいます。こんな状態になってしまうと、心だけではなく体にも症状が出始めて、うつ病だったりになってしまう、と。
うつ病などになってしまった場合、抗うつ剤を飲んで病気を治しますが、これは穴を塞いで「元気の源」を増やしていくようなイメージだそうです。「元気の源」が増えていくときに、眠気が起こるんですよ、とのことでした。抗うつ剤は副作用で「眠気」とあるけれど、これは絶対に起こるもの。運が悪いと眠くなるというわけではないんだそうです。
主治医からの説明で、異常な眠気はちゃんと病気が治っている証拠なんだと受け入れることができました。つまり、わたしにレクサプロが良く効いてくれているということです。
ここを誤解して「こんなに眠り続けるのはおかしい!」と、勝手に断薬するのは非常に惜しいというわけです。
――ところで、わたくしは、表題のところで「レクサプロが効くかどうかは運しだい」といったようなことを言っておりますが、良く考えてみてください。
初めて精神科と呼ばれる場所に行って、抗うつ剤を飲み始めて、一年も経たずに、わたしは「うつ病が治っている」と実感できるようになっています。
しかし、世の中には、もっと長期間に渡ってたくさんの薬を飲んでいるのにもかかわらず、良くならない方がいらっしゃいます。(といっても、私が見知っているというより、情報メディアを通じて知識として知っている状態ですが)
同じうつ病患者でもこの差。これって一体どういうことなんでしょうか?
わたしのこの疑問に対して、主治医は「中瀬さんは運が良かった」と言いました。その薬が効くかどうかは、上記のような様々な要因で色々なんだそうです。
・うつ病になった原因
・わたしの周囲の環境(家族関係、友人関係など)
・わたしの体質(薬が効くか・効かないか) などなどなど…
これを聞いたとき、残酷だなと思いました。
自分の体に何が効くかなんて当然患者自身が知るわけがない。うつ病などで苦しい思いをしていて、一刻も早く解放されたいのに。そう思って病院に来て、抗うつ剤を飲むことにしたのに、それが効くかどうかが運だなんて。なにか検査でもして、どの薬が効くか適性が分かればいいのに。なんて酷い。 うつ病は未だに世間からあまり良く思われていませんよね。「サボりだ」「頑張りが足りない」「甘えるな」など……どこの会社も人手不足の中仕事を回しているのですから、本心じゃなくとも吐き出してしまう気持ちは分かりますが、それでもやっぱり肩身が狭い病気です。そんな大変な病気なのに、こんなところにハードルがあるとは。
けれど、人間とは浅ましいもので、わたしはとっても安心しました。
運が良かったんだ。わたしは「治る方の人間」なんだ。何年も苦しまなくていいんだ。ずっと治らなくて苦しい思いをしているどこかの誰かをそっと踏み台にして、自分はまだマシだ・下には下がいると思える。この当時は、「うつ病である」というだけで、将来が何も見えなくて絶望していましたから、こんな風に思うことでちょっとでも希望が欲しかったのだと思います。
つくづく、嫌な病気です。うつ病患者と健常者の間でもアレコレあるのに、まさか患者の中でもありうるなんて……。
「レクサプロ 効き目」などで検索される方、ぬか喜びにもなりかねませんのでそっとページを閉じましょう。
本当に薬が効くかどうかは、貴方様の体しだい、運しだいです。
平均的に2週間~数か月で効き目が出ると言われていますが、その目安を超えても症状が良くならないようでしたら、ネットに尋ねるのではなく、ぜひ主治医と相談されてみてください。貴方様に親身な人の言葉を大切になさってくださいね。
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