カグラバチ 漣家の命名法則についての考察
こんばんは、まだらも がくです。
今回はカグラバチという漫画に出てくる漣という家の命名法則についての考察になります。あくまで考察であり、「こうかもしれないな」「こうだったらいいな」といった解釈🍡となります。その点ご留意ください。カグラバチは現在単行本で4巻、ジャンプ本誌においては51話までが公開されている状態です。もしまだ未読の方がいらっしゃれば是非カグラバチを読み終えてからこのnoteをまた開いていただければなと思います。
それでは開幕だ……!!
まずは何といっても漣伯理君から。
伯理君の名前は見ての通り伯と理から成り立っています。
伯とは兄弟姉妹の最年長者、または父を表す文字です。
「長男と父を理する」つまり長男である宗也と父である京羅を覆す、まさしく楽座市編において八面六臂の大活躍を果たした伯理君に相応しい名前であると言えます。
しかしネーミングオタクとしてはこの程度の漢字の表面をなぞったような考察のためだけにnoteなんてしたためません。ここからはダブル、トリプルミーニングや周囲との関係性について深掘りしていきましょう。
伯理とはハクリと読みます。ハクリと言われて連想できる言葉は2つ。剥離と薄利です。
まずは剥離から、これは単純に「漣という家から剥がれ落ちた」ことを指すのではないでしょうか。漣家の因果から解き放たれたと言い換えてもよいでしょう。
続いて薄利、これは京羅が発した「初めて役に立ったな」という言葉からも理解できる通り、漣家にとって利益が薄いことを表していると想像できます。
続いて関係性について、伯理君と所縁の深い人物と言えば氷の肌の女でしょう。彼女とは薄氷(伯氷)のような薄い檻を隔てた関係であり、漣という家の呪縛からまさしく漂白(氷伯)してくれた関係であると言えます。この表記はカップリングに関する思想を含む表現ではありませんので悪しからず。
次は伯理のひとつ下の弟、天理です。
天理は親の京羅、ひいては漣という家が敷いたレール、天命、理から外れることのできなかった子であると解釈しています。京羅が「あの子は最高の戦士になる」と発言しているのは純粋な褒め言葉のようでいて「教えた理の通り、天命に従って戦ってくれる子だ」という意味が含まれているように感じます。京羅にとっての天理とは、戦士として選ばれた楽座市を守るため命懸けで戦う駒であり家のことを考える当主の器ではない、と考えていることが窺い知れる嫌な質感の一言です。
そんな天理が雫"天"石の「一度使えば溢れ出る玄力に耐え切れず体が爆散する」という、最期まで"天の理"に抗えない末路を辿るだなんてあんまりなネーミングです。だからこそ面白いのですが。
漣兄弟のトリを飾るのはご存知偏愛の漣宗也です。
宗也に関しては未だに解釈が定まっておらず、今後の情報開示次第でいくらでも変貌し得るものであることをご了承ください。
宗也の話をするにあたって、まずは漣家当主の話をしなければなりません。
当主達についてもこの後深く触れるのでここでは名前だけに留めますが、先代当主、つまり宗也や伯理、天理の祖父に当たるのが漣宗羅、そして父に当たるのが漣京羅となっています。
勘のいい方は既にお気付きかもしれませんが、宗也という名前はどちらかと言えば祖父側から取られた名前のように見えます。これに関しては宗羅の息子、つまり年の離れた京羅の兄弟である可能性があることを指します。
もし京羅の実子である情報が既に出ていた場合は是非Twitterの方にご一報いただければなと思います。
(多分天理のことを「実子だからと忖度はしない」としか言ってなかったはず…)
宗とは「本家、大元」と言った意味ですから宗也もまた本家の血筋であることの証左ではあるようです。一族の嫡流のことを"宗家"と言ったりしますね。まあ要するに宗也も「蔵」の継承権を有する血筋だよということです。
※追記 10/14日現在 カグラバチは最新53話まで公開された時点での新たな知見と発想により宗也への解釈が深まりましたのでここに記します。
宗也の宗とは嫡流 つまり本家からの血筋だよと言いました。
その上でこれは躁鬱の躁とのダブルミーニングである可能性に気付きました。
つまりどういうことかというと、平時は変わらずとも「伯理と居る時間だけ躁≒ハイテンション」「になる者≒也」ということです。
要するに、結果躁也であるかもしれないということです。
これは4巻巻末にて公開されためきめきと成長する天理に対する劣等感から発生した鬱病の反対、躁病の伯理限定版ではないかと捉えています。
その上で筆者は鬱病であるためそれなりの知見と経験があり、偏見を持ってこの考察を書いている訳ではないことをご理解いただけますと幸いです。
❌作者へのペンチ、ピーラー、ダメ絶対❌
以上、追記でした。
先ほど触れた当主達は宗羅と京羅。共通するのは羅の文字です。羅とは「鳥を捕らえる網」という意味の言葉です。"網羅"を想像していただければ実態が掴みやすいかもしれません。そしてこの"鳥"というのがつまりは漣一族の子ども達であり、網を以て制する彼らこそが当主たり得るということになりますが、当然「漣家って鳥なの?」という疑問が湧くことでしょう。
これは34話で描かれた漣宗羅の仏壇に刻まれた家紋と思わしき模様、及び22話の漣家邸宅に吊るされていた提灯に描かれている模様です。これが一説には白鳥のようにも見え、また「才能なしと思われていた伯理君が大きく活躍を見せる」楽座市編そのものがみにくいアヒルの子がモチーフになっているのでは、という考察も存在します。今回はこの考察に倣って羅の文字を「網を使って鳥を制御する」当主達を象徴する名であるとしておきます。
また「蔵」を継ぐ者こそを当主とするのであれば、唯一初代以来の天才として「蔵」を発現させた伯理君は実質的な伯羅になったと見ることもできます。漣家の当主そのものになった訳ではないですが。
続いて宗羅→京羅という親子の名前が羅を継いでいるのに対して、京羅の息子は伯理と天理です。ここは漣という一族が二百八度の楽座市を遂行するほどに長く続く一族であることから「あいうえお順に名前をつけていったのではないか」という推測を立てています。要はら行の"ら"の次は"り"だよってことですね。
問題は宗也です。也という文字が鬼門なんです。先ほどのら行の法則に抗うばかりか、この也は部首が釣り針であると言われており、つまりは「チヒロという金魚を釣り上げる」ためのネーミングの可能性があります。現在妖刀奪還計画の根幹を担うのは楽座市で発現した伯理君の「蔵」ですから、その伯理君に強い執着を見せる宗也が毘灼入りして文字通り「チヒロ君を釣り上げる」なんて展開があるかもしれません。
しかも!毘灼には雫天石という妖術強化アイテムが存在しますから、本来蔵を発現させられなかった宗也も毘灼から雫天石を与えられれば、無理矢理伯理の「蔵」をこじ開けて、わざわざ会いに来てくれるかもしれませんよね!ねっ!?
……失礼、話が逸れました。
最後に単行本4巻にて公開された所謂三つ編みニキと体調不良ネキと呼ばれる2人の名前についてです。
この左側が三つ編みニキこと漣円慈、右側が漣珠紀という名前です。
実を言うとこの2人の名前が判明すれば宗也の謎も解けるのではないかとちょっぴり、いやかなり期待していたのですが、僕の考察ではあくまでこの2人のみの法則が成り立っているようです。この辺りは本家嫡流の血ではないことが関係しているのかもしれません。
円慈さんは天理が「目ん玉灰皿になる」時に扉に関する情報を話そうとしたり、天理が雫天石を握り込んだのを見て止めようとするなど、かなり漣家が楽座市に対して命を懸ける生き方とは違う印象を受ける人物です。
これこそが円、つまり家族の和を慈しむ、という名前に表れているのではないでしょうか。
珠紀さんも同様ですね。珠もまた円であり、縁であり、輪であり、和です。家族を尊ぶ生き方をしてきたのか、はたまた柴さんに言われたように「漣の子ども達に同じ思いをさせないようにこれから慈しんでいくのか」そんな彼らの人となりが垣間見える素敵な命名だと言えますね。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
また新たな情報の開示があればこのnoteに追記するなり、新しいnoteを書くなりしようと思います。
それではこれにて……!!
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