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ハイキュー リベロの命名法則についての考察

こんにちは、まだらも がくです。
Twitter(旧𝕏)の相互さんがハイキューを読んでいた時に思い付いた考察、というより命名法則についての推測についてまとめていきます。
「鉄は熱い内に打て」ということで早速行ってみましょう!
※ハイキュー45巻最終話までのネタバレを含みます。未読の方はブラウザバック&ハイキューの履修をよろしくお願いいたします。

まずはこの考察を思い付いたきっかけのお話からしていきましょう。
そもそもの発端は「烏野高校歴代主将、黒川君だけ系統違くね?」でした。
というのも烏野高校排球部の歴代主将は田代君、黒川君、大地さん、縁下、山口となっています。こうやって並べて見ると土地や土壌を指すような名字が並ぶ中で黒川君だけが川という、地形ではあるものの支える土壌ではないように思えます。これについては「田代君という田んぼに黒川君という水が注がれ、大地という土壌が形成されたのではないか」という文脈を想像しています。そこからは大地さんの系譜を継ぐ縁下、そして山口と脈々と渡っていく訳ですね。黒川君だけが水に関連する名前であることに関しては最後の項で触れています。

追記:読み返したら田代君は田代秀水ひでみ、黒川君は黒川弘樹だったのでより一層土壌が強く地盤が固くなりました。浅い読者の俺を許してくれ……

そしてこの"土地や地面を指す名前"こそがハイキューリベロの命名法則、ひいてはレシーブの上手い選手の命名法則なのではないかという予測が発生しました。これを基にハイキューに登場する各高校のリベロの名前をピックアップしていきます。

まずはご存知烏野高校リベロの西谷夕。彼は谷という字が含まれていますから法則に当てはまります。
続いて音駒の夜久衛輔。残念、いきなり例外です。衛も輔もかなり人を助ける漢字ではあるものの、土壌を指す言葉ではありません。"もりすけ"という名前から森を連想するのは少し飛躍しすぎというか、自分の主張を通したいがための曲解と言えるでしょう。
同じく音駒から芝山優生君。彼の芝も山も土地に由来するものであり、この辺りからもレシーブの上手さとの関連性を見出すことができそうです。
お次は青葉城西高校から渡っちこと渡親治。彼も土壌を示す言葉が含まれている訳ではないので例外となります。しかし、彼の強みはレシーブのみにあらず及川徹がファーストタッチを上げた時に発揮される元セッターとしてのセッティング技術にもあります。この辺りはまさしく及川という川を渡ることで次へと繋ぐ渡っちらしい素晴らしいネーミングです。一体誰目線で話しているのか……
白鳥沢学園の山形隼人君もまた山という漢字が含まれています。個人的に彼の強みは「今のは相手への称賛で良い」と言った声掛けを含むチーム全体への鼓舞による精神的支柱、また全国クラスの大エース牛島若利を立たせるための二段トスの上手さにあるのではないかと思っているのですが、それでも全国常連高校のスタメンリベロですからその技術は計り知れないものがあります。
常波高校のリベロは桜井大河君です。大河というのもまた雄大で懐の深い名前ですが桜という部分にも注目したいですね。これは山口や芝山と言った土地そのものではなく自然にも適応されているのではないか、という考察に繋がる大きな一歩の命名です。この土壌ではなく自然に関する命名についても最後の項で触れているので良ければ最後までお付き合いください。
今度は伊達工業の作並浩輔君。彼の命名は土地や土壌との関連を薄めることで1年生リベロとしての未熟さと共に作、つまり"作り育てる"という漢字を使うことにより赤子同然の黄金川を導くリベロであることを強く印象付けるネーミングなのではないでしょうか。
条善寺高校の土湯新君もまた土という漢字が含まれています。条善寺といえば「俺にも打たせろー!!」でお馴染みサーカスバレーを主体とした高校であり、選手全体がどんなプレーも満遍なくできるよう2対2を主体として指導されているので、大地や山と言った大仰な名前ではなく"土"なのかもしれません。

さて、長くなってきましたがもうしばらくお付き合いいただければと思います。
お次は宮城県内を飛び出して梟谷高校のリベロ、小見春樹君です。彼は3本指エースである九州のキリュウこと桐生八のスパイクを上げるほどの優秀なリベロですが、彼もまた樹という自然に所縁のある漢字が含まれています。梟谷の選手達は梟の名前が元ネタとされており、小見春樹君はコミミズクではないかと言われているので、やはり春樹の部分にリベロとしての素養が詰め込まれていると見ていいのではないでしょうか。
春高において激戦を繰り広げた稲荷崎高校のリベロは赤木路成君です。彼の足レシーブに数多くの読者が魅せられたのは想像に難くないところです。この命名法則の発端の一つが彼の赤木という名字です。通常"あかぎ"と名付けたい場合は「赤城」と名付ける、名付けたくなる、無意識に名付けてしまうのではないでしょうか。少なくとも僕はそうです。それでも尚「赤木」と名付けたのはこういったリベロの技量を示す表現の一つだったのではないか、僕はそう考えています。
続いて狢坂高校リベロは尾新春馬君です。先ほどの常波高校のリベロ、桜井大河君のことを鑑みれば尾新君もまた春という字が含まれていますからそれだけリベロの力量が高いと窺い知ることができるかもしれません。実際梟谷戦において木兎光太郎の仕掛けたフェイントに反応できたのは唯一彼一人でした。ただ、狢坂高校においてより多くのレシーブを上げたのは尾新君ではなく蝦夷田尚陽君でした。この辺りを意図的に描いているのだとすれば、蝦夷田君の名前に田代君と同じ"田"という文字が含まれているのもまた、レシーブ力の高さを買っての命名だったのかもしれません。

※追記:この蝦夷田君のレシーブ力に関して新たな発見があった為追記します。狢坂は梟谷戦において対木兎シフトを敷いています。具体的には高身長MBを木兎さんのストレート側に配置していることです。これは翻ってクロス方向に打ち込まれる超インナースパイクをリベロが上げる為のフォーメーションです。故に通常ならリベロが上げるであろう球をリベロではない蝦夷田君が担当していた、という可能性に繋がります。

烏野対戦校としてトリを飾るは鴎台高校。カモメだけに……
リベロは上林鯨一郎君です。上林君は「光来君にレシーブで負ける…」と不安を漏らしていましたが、それでも超高校級のプレイヤーである光来君と同じか、もしくはそれ以上のレシーブを上げているという証明でもあり、"林"という名字もまたその証左であると言えるのではないでしょうか。
そして高校生期間において最も優秀なリベロとされていたのは井闥山高校リベロの古森元也君です。彼に関しては非常に明解ですね、"森"です。彼がプレーした描写はユース合宿とオリンピック戦の2回のみとなっており、スパイカーの助走路を開けること以外にリベロとしての実力を窺い知ることはついぞ叶いませんでしたが、それでも作中で「No.1リベロ」と評されている彼に"森"の字が含まれていることに一考察者として僅かばかりの感慨を得ることができました。

ここからはリベロだったけれど自然や土地にまつわる名前が含まれていなかった選手の紹介です。
まずは扇南高校のリベロ横手駿君。次に和久谷南高校の秋保和光君。秋保君はもしかしたら"秋"が該当するかもしれませんがかなりこじつけの匂いがします。そして戸美高校の赤間颯君。椿原高校の貝掛亮文君。最後にMSBYブラックジャッカルの犬鳴シオンさんです。犬鳴山とか犬鳴ダムとかあるから結び付けられないかな~……こじつけかもなぁ~……

さて、最後に書くことではないのかもしれませんが何分字書き初心者なもので構成に関してはご容赦頂ければなと思うのですが、ここまで土地や土壌についての名前の他に自然、例えば木であったり森であったりをレシーブの上手さと関連付けていたことに対して「最初の主張と違うんじゃないか」と違和感を抱きながら読み進めてくださった方もいると思います。
ここではその疑問に対する解答を書き連ねていきます。
これに関してはリベロやレシーブの上手さではなくハイキューという作品全体の命名についてのお話なので「リベロの話が読みたいんだよ!!」という方はこれ以降実りのある話はないと区切りをつけてください。

まず、ハイキューという作品は烏野を始めとした動物をモチーフにした高校名、選手名が多く登場します。烏、猫、梟、白鳥=鷲、蛇、猿、狐、鴎、狢=狸、そしていたちです。これらの高校全てを下して春高の優勝に輝いたのは一林という高校です。今まで読んできた読者の中には「一林なんて高校影も形もなかったじゃないか」と思う人も居たかもしれません。ただ、命名オタクからすると「数多の動物達全てを丸っと飲み込んで飼いならしている場所こそ林であり自然である」と解釈することができました。故に土地や土壌ではなく自然そのものである木や林、森などもレシーブの上手さとして表現しているのではないかなと思った次第です。
加えて"自然"に重きを置くならば、動物ではなく自然をモチーフにした「青葉城西」という高校名もまた「芽吹いた青葉が成長すれば世界を覆う」と解釈することもでき、その芽吹いた青葉こそが及川徹なのではないか、とも考えています。

おまけ
黒川君が土地ではなく川である理由については同じく名前に川とつく主将である及川徹という前例と稲荷崎戦での田中先輩が言った"久中のクロカワ"という発言から恐らくレシーブだけに留まらずスパイクも上手かったが故のネーミングなのかなと想像しています。

おまけのおまけ
これだけネーミングに重きを置いてる(ようにオタクが捉えてる)ハイキューという漫画において、主人公のように光を放つ人、周囲に多くの影響を与え照らす人には当然光を冠する名がつけられています。それは日向翔陽、星海光来、木兎光太郎の3人です。でも1人欠けているのではないかとも考えています。それは牛島若利。じゃあ若利君には何故光に関する名がついていないのか。それは父方の姓、空井にあります。先ほど「春高で優勝したのは動物を丸ごと抑え込む大自然、一林である」と言いました。これはつまり「主人公たちが発する光すら包み込む空の人」こそが牛島若利である、と捉えることができます。そしてその空の人と意気投合できたのは我らが天の人、天童覚なのでした。


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