星の王子さまとサン・テグジュペリ
「星の王子さま」をかなり久しぶりに読んだ。
若い頃読んだ時はあまりピンと来なかったけど、今回読んでとても衝撃を受けてしまいました。
若い頃より理解が深まった、ということではなく、
恐らく変わったのは自分ではないかと。
若い頃は、自分は童心を忘れていないつもりでいたので、大人に対する批判(?)をある意味他人事のように解釈していたのだと思います。
今回は、完全に大人側の目線で読んでいました。
よって、
本当は大人なのに、それを認められなかった自分と、大人であることを受け入れている自分、
の違いだと思いました。
そういう意味では、若い頃より率直に作者のメッセージが胸に響いたのだと思います。
作者のサンテグジュペリは飛行機乗りだったとのことで、
主人公が砂漠に不時着するのも本人の実体験に基づくストーリー。
サハラ砂漠で不時着して、数日砂漠を彷徨った挙句、偶然にに通りかかったアラブ人に救われ、奇跡的に生還。
本人の奇跡の生還劇は有名で、フランスとドイツが開戦した際に、ドイツ軍パイロットの中にはサンテグジュペリのファンがいて、彼が所属する部隊との戦闘には参加しない、と公言するパイロットもいたとか。
星の王子さま以外の著作物はどれも飛行機ものです。
まだまだ飛行機の安全性が不安定だった時代のパイロットの目線はとても興味深い。
結局空に散っていった生涯でした。
昔、松本零士が「戦場シリーズ」として戦争ものの短編を沢山描いていました。
どれもパイロットの目線で、スタンレー山脈への飛行に挑戦する「スタンレーの魔女」とか、大好きでしたが、「夜間飛行」を読みながらサンテグジュペリの影響を受けていたのかな、なんて想像してしまいます。