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顧客満足を高めるための「商人道」の6つの商訓
日本人はスポーツやビジネスに関しても、「道を極める」という気質がある。これは日本人が世界に誇る美徳であると思う。流通業界に属する我々が極める道は「商人道」である。
私の机の前の棚には『店はお客様のためにある』(倉本長治商訓50抄)という本が並べられている(写真参照)。
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私が以前在籍していた「商業界」という出版社の創始者である倉本長治先生が、商人道の本質を極めるための50のコラムをまとめたものである。
今月号の特集は「顧客満足度」調査である。真の顧客満足対策は、商人道の原点に戻ることであると考えて、倉本先生の50のコラムの中から6つのエピソードを再掲載する。
損得よりも善悪が先
商売は損得より善悪の方が大切である。それは儲かるか、儲からないかと言うことよりも、そのことが善いことか、悪いことかをまず考えることが根本だと言うことなのである。
これまでの商人諸君は、自分が消費生活者の隣人として、その専門の知識と愛情とでお客さまの生活を守ることが務めであるという目覚が少なく、自分自身の損得にばかり熱中してきた。
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