【アメリカ流通業レポート⑥】ヘルスケア・サービス企業として保険、調剤、介護の4本柱を強化するCVS・ヘルス
ヘルスケアの垂直統合を目指す
全米で9,939店を展開し、ウォルグリーンズにつぎ業界2位の売上規模を持つドラッグストアチェーン。CVSヘルスの成長は、買収の歴史と言っても過言ではない。2007年には調剤の流通で重要な役割を持つPBM(ファーマシー・ベネフィット・マネージャー:薬剤給付管理会社)のケアマークを買収した。2018年には大手健康保険会社のエトナを買収し、ヘルスケア業界で垂直統合した企業として、消費者に総合的なヘルスケア・サービスを提供している。
コロナ禍では、PCR検査やワクチン接種によって人々の健康を守ると同時に、売上も伸ばした。2021年期のグループ全体の総収入は前年比8.7%増の2,921億ドルとなった。店舗に併設あるいはフリースタンディング型で展開するクリニックでは、急患を含む患者の診療を行うほか、糖尿病、腎臓病、肥満などの慢性疾患や生活習慣病の管理と治療、特殊なガン治療などに使われる点滴による輸液治療もスペシャルティ薬局を通じて行っている。
総合ヘルスケア・サービスの窓口となる「CVSヘルス・ハブ」を併設する店舗は、今年の9月末までに全店の10%近くの936店となった。
CVSは、商品だけでなくサービスも含めたシームレスなオムニチャネル企業へと進化している。CEOのカレン・リンチは、年次レポートで「消費者にフォーカスし目的を明確にした企業として今後も成長を維持していくことにコミットしている」としている。
CVSヘルスの三本柱 健康保険、薬局、介護
CVSヘルスは、事業を大きくヘルス・ケア・ベネフィット(健康保険)、ファーマシー・サービス(小売薬局)/長期介護情報システムの3つに分けて、顧客のヘルスケア・ニーズに応えている。
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