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[店舗への指示を減らし、売上・利益が改善]小売業+データビジネスの二刀流で勝つ!薬王堂 西郷孝一常務インタビュー
「チェーンストア理論(基本の徹底)」と「効率の追求」という二本柱で店舗運営する薬王堂。スタートアップ企業や東北のローカル企業との連携、業界屈指のデジタル戦略の実行、充実したプライベートブランド(PB)商品など、東北地方のリージョナル(広域)チェーン企業として異彩を放っている。同社取締役常務執行役員で2022年3月からは営業本部長も務める西郷孝一氏に最新実績の振り返りや注力分野、成長戦略などを聞いた。
(聞き手/月刊MD編集長 野間口 司郎)
6ヵ月、12ヵ月固定の販促売場で現場の作業は大幅削減
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─2023年2月期の第3四半期(以下今期)の決算を見ると売上高が前期比104.1%、営業利益が同113.1%と好調でした(図表1)。振り返っていかがでしょう。
西郷 既存店売上高も好調で2022年12月の前年同月比で110%でした。薬王堂は水曜日と日曜日をポイントデーにしているので、前年と曜日を合わせて比較すると12月は113%とさらに数字は上がります。昨年末から起こっている転売目的と思われる外国人客の医薬品特需の影響を受けた企業もあると思います。薬王堂にその要素はないので、余計に数字は際立ってきます。
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業績好調の要因ですが、これを言うと信じてもらえないことも多いのですが、「何もしていない」のです。私が営業責任者になってKPIを決め(図表2)、営業方針を決め、何をやれば売上が上がり、何をやれば下がるのかを明確に見定めて売上が上がることしかやらないことにしました。
その結果、極力指示を減らしたことが業績に表れたと思っています。私だけでなく、商品部もなるべく指示を減らし、出すなら指示のクオリティを上げる、週次で定期的に同じ指示を出すようにして、緊急的なものは極力減らしました。このような態勢を取ると、あらためて私たちがどれだけ多くの指示を出していたかを思い知ります。
─具体的にどのように指示を減らしたのですか。
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