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コーポレートガバナンスが問われ始めるDgS業界/DgSでも食品ロス削減の動き
ツルハHDとクスリのアオキHDに提出された、モノ言う株主からの提案は、株主総会で否決された。しかし、株主からの提案の火種は残り、ハピコムグループのトップにいるイオングループの動きが注目される。主要DgSの第1四半期決算が出揃った。旺盛な店舗拡大や人流の戻りもあって、各社売上高を大幅に伸ばしている。
《略号の表記一覧》
DgS=ドラッグストア、SM=スーパーマーケット、CVS=コンビニエンスストア、HC=ホームセンター、GMS=総合スーパー、SC=ショッピングセンター、DS=ディスカウントストア、HD=ホールディングス、M&A=合併・買収
ツルハHDとクスリのアオキHD、アクティビストからの提案を否決
ツルハHDとクスリのアオキHDに対する「アクティビスト=モノ言う株主」(いずれもオアシス社)からの提案は、それぞれ8月の株主総会で否決された。
オアシス社のツルハHDに対し「創業家による強い支配が存在し、子会社間の事業上のシナジーの完全な発揮や、創業家以外の人材の登用が阻害されているとして、取締役会長の廃止、社外取締役の総入れ替え」などを提案していた。
またクスリのアオキHDには同様に「創業家が社内取締役5人のうち3人が占め、株式も合計約30%弱を保有しているため、少数株主の利益保護の観点からも、創業家と株主の利益が相反する可能性がある場合、指名報酬委員会などの仕組みがない」ことを指摘し、社外取締役として池井良彰氏の選任を提案していた。
今回の両社の件は、同じアクティビストからの同族経営に対する疑義という点だけでなく、イオンがツルハHDの株式の13.5%を、クスリのアオキHDの9.9%を保有し、DgSグループであるハピコムグループの一員だということも、背景にあって注目集めた。
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