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新生堂薬局 水田CEOに聞く「健康についての悩みを何でも相談できる地域一番の薬屋を目指す」
新生堂薬局は、業務改革、デジタル台帳の全店導入、管理栄養士が主役の業態開発などに取組み、健康相談ができる地域一番の薬屋を目指している。水田怜社長にヘルスケアステーション®の進歩について聞いた。
(聞き手/月刊MD編集長 日野 克哉)
ユニットコントロールによって店内作業を最適化し健康相談を強化する
─新生堂薬局のヘルスケアステーション®の進歩について教えてください。
水田 ヘルスケアステーション®を言葉で定義すると、「健康についての悩みを何でも気軽に安心して相談できる地域一番の薬屋」です。
調剤薬局、ドラッグストア(DgS)、フィットネスクラブなどのすべての業態で、健康についての悩みを相談できる拠点を目指しています。
DgSでは接客ツールの「健康台帳®」を活用し、OTCのカウンセリングを強化しています。DgSだけでなく、調剤薬局でも一般用医薬品(OTC)、サプリメントを展開しています。
ヘルスケアステーション®の現在の進捗は70%です。残り30%は店頭スタッフによる業務改革と人材育成が伸びしろです。カウンセリングが店頭スタッフのもっとも重要な仕事だと思っています。業務改革によって店内作業を最適化し、カウンセリングに人時をかけます。
業務改革の取組みでは、回転率の高い日用品、食品の陳列コストを削減し、店内作業を削減します。本部から店頭への指示を減らす、まとめる、やめることも考えています。
自動発注比率が90%強まで上がったので売場の発注作業を削減できています。また、期限管理をシステム化し、スタッフが全商品を目視することなく期限チェックができる「循環式期限チェック」の仕組みを導入しています。
店頭の業務改革においては、ユニットコントロールをきちんと行うことが大事だと思います。商品の色やサイズなどの最小分類である「品目」をユニット(単位)と考え、品目の数量管理を行っていきます。
原理原則ですが、売れ筋のフェースを増やし、死に筋のZランク商品はカットして棚割(商品構成)を最適化する「売れ数比例配分」「売れ数比例フェーシング」を行っていきます。
売れ筋比例フェーシングによって陳列コスト、配送コスト、発注コスト、値下げロス、廃棄ロス、返品コストを削減し、業務効率を上げていきます。メーカーさんとも協働していきます。
接客強化については、トレーナーが店内作業の見本を見せて教えるOJT(On The Job Training)を行っています。現在のOJTでは「健康台帳®」でカウンセリングすると、システムを使って接客経験を積むことができます。
また、トヨタさんの教育関係の会社「OJTソリューションズ」と契約し、現場でのムリ・ムダをなくすトヨタさんの文化を取り入れています。
DgSのウェルネス事業本部、調剤のメディカル本部で半年間取組んだ結果、現場主導で本部への店内作業のムリ・ムダを省く提案が増えています。
─ユニットコントロールによって、売上も上がっていくのでしょうか。
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