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[にしてつストア×マインディア「販促の自動化」実証実験]生成AIでPOPのキャッチコピーを自動作成し、カレーカテゴリー昨対105%を実現
福岡県が拠点の西鉄ストアは、食品スーパーマーケットの「にしてつストア」をはじめ100以上の店舗を福岡県・佐賀県で運営する。同社が2024年4月下旬から5月下旬の約1ヵ月間、生成AIがつくったキャッチコピーを掲載したPOPを店頭のカレールーコーナーに設置したところ、実験期間中の売上昨年比105%という実績を挙げることができた。キャッチコピーの元になったのはID-POSとECサイト上の口コミデータだ。取組みに迫る。
生成AIを活用し「販促の自動化」に挑戦
同取組みの舞台となったのは「西鉄ストアレガネット牛頸(うしくび)」。福岡県大野城市に立地する売場面積391坪の食品スーパーマーケットだ。同店舗のID-POSデータを用いて客層を分析し、マインディア社が有するECサイトの口コミデータを元に、カレールーのPOPに記載するおすすめコメントを生成AIが作成した。
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同取組みのきっかけについて、プロジェクトを企画した一般社団法人リテールAI研究会 代表理事の林拓人氏は次のように語る。
「2024年6月、小売業の展示会『NRF APAC』がシンガポールで開催されました。私たちリテールAI研究会も同イベントの出展・後援をすることになり、ここで活動の成果を発表したいと、会員企業である西鉄ストアさん、マインディアさんにお声掛けしたのがきっかけです。2023年12月のことです」
当初は生成AIの活用事例として棚割や仕入れの最適化、値付け自動化も検討したが、短期間で成果を出せると踏んだ「POPキャッチコピーの自動生成」(販促の自動化)に取り組むことにした。
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西鉄ストア 営業企画部兼メディア戦略課兼マーケティング室課長 坂本大輔氏は「はじめは生成AIでキャッチコピーをつくることを林さんから提案されても半信半疑でした。ですが『一度やってみよう』という軽い気持ちでテストしてみたところ、思っていたよりも精緻なキャッチコピーを出力することができ、驚かされました」と、プロジェクトの始まりを振り返る。
店舗のID-POSから4つの顧客像を抽出
今回対象としたのはカレールーカテゴリーで、レトルトカレーは除外した。カレールーは、売れ筋で低粗利の商品と、高付加価値・高粗利のこだわり系商品の2種類に大別される。
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「こだわり系のアイテムは、販促や値下げをしていない分高粗利を確保することができます。そのような商品に、生成AIでつくったキャッチコピーのコトPOPを貼付し、“手間なく”購買意欲をかきたて、より多くのお客様の手に取ってもらうことができれば、大きな価値を生み出すことができるのではないかと考えました」(坂本氏)
そこでまず最初に着手したのが、牛頸店のID-POSのデータによる客層分析だ。ID-POSデータをChatGPTに分析させたところ、購買見込み客の特性が4つ示された。
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