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店舗レポ「スギドラッグ 豊洲市場店」国籍、個店別の品揃えでインバウンド需要を獲得

スギ薬局ホールディングス(HD)の2025年2月期の中間期決算は売上高4,138億900万円(前年同期比12.9%増)、営業利益高202億8,600万円(同17.3%増)といずれも過去最高を記録。好調の要因に杉浦克典社長は「インバウンド」「改装」「アプリ施策」の3つを挙げた。好調な業績を牽引するインバウンドの最新店舗を取材した。


豊洲は台湾人、中国人の好むエリア 売上の8割を外国人観光客が占める

スギドラッグ豊洲市場店は、新橋(東京都港区)と豊洲(同江東区)を結ぶ「新交通ゆりかもめ」の市場前駅から徒歩3分ほどの位置にある。最寄り駅近くには文字通り都内最大規模の卸売市場があり、市場に隣接して「豊洲 千客万来」という飲食と物販、温泉施設が融合した商業施設がある。

▲売場レイアウト図(約65坪)

沿線には、豊洲市場以外にも、レストランやアミューズメント施設が集まるダイバーシティ東京プラザや国内外から参加者が集まる国際展示会場、東京ビッグサイトなど、集客力のある施設が多数揃っている。

▲駅から一番近いメインの出入り口付近には、ヘルスケアのプロモーションを配置
▲売場面積は約65坪、天井が高いので開放的、出入り口付近のプロモーション、外側通路沿を販促的に演出、中通路は品目を絞って定番売場を展開

スギドラッグ豊洲市場店は2024年7月25日のオープン。約65坪の店内の80%はヘルスアンドビューティの売場となっており、インバウンド需要に特化した店舗だ。

▲入り口付近のヘルスケアプロモーション、エリアごとに売れ筋商品を絞って迫力ある展開

日本の繁華街はエリアごとに、中心となる外国人観光客の国籍は異なり、豊洲エリアでは、台湾、中国からの観光客が多い。同店では約7割が台湾と中国からの観光客で、そのうち台湾からの観光客がわずかに中国客を上回る程度だという。

▲薬日本堂の源生寿、漢方の本場、中国、台湾からの観光客がメイドインジャパンの魅力に引かれて購入

外国人観光客(非居住者)が5,000円以上の買物をすれば消費税が免除され、免税売上になるが、同店の免税売上は6割程度、5,000円未満の買物も合わせると、約8割が外国人観光客によるものである。

▲参天製薬のヒアルロン酸ナトリウム配合のヒアレインSは第1類から、第2類へとリスク区分が引き下げられ買いやすくなり好調、インバウンド客にも人気

残り2割は近隣のオフィス需要が中心。スギ薬局のインバウンド戦略に関して営業本部 都心営業統括部 統括部長の岡淳一氏に聞いた。

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