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売れるオーラルケア売場の秘訣は「サブカテゴリー間の買い回り促進するレイアウト」だ!
JBtoB(ジェイビートゥビー)社のID-POS分析によれば、オーラルケアカテゴリーは2019年対2023年比で買上率(レジ通過客100人当り何人購入しているかの割合)が94.7%と5.3%下落している。ドラッグストア(DgS)でオーラルケア商品を購入する人が減っているということだ。カテゴリーの現況と改善への方策を同社代表取締役社長奥島晶子氏に解説してもらった。
(データ分析・解説/ジェイビートゥビー株式会社代表取締役社長 奥島晶子氏)
(構成・文/月刊MD編集部)
※2019年対2023年比 ※本稿のデータはすべてJBtoBのパネル店データ
客単価、売上は上がっていても客数減は要注意
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図表1はID-POSで見たオーラルケアカテゴリーの基本数値の推移である。コロナ禍の影響のない2019年から2023年の1月〜12月でデータを取っている。
2019年対2023年を見ると平均売価が112.3%と上昇したことで、1人当たりの購入金額も拡大し売上は上昇傾向にある。2023年から相次いだ値上げも影響していると思われる。しかし、買上率は94.7%と5.3%下落。経年で見てもDgSでオーラルケアを購入する人の割合が減少トレンドにある。
基本機能を備えた低価格〜中価格帯のハミガキ、ハブラシを食品SMで購入している、高機能な商品をECで購入しているなど、他チャネルに流失していることが考えられる。
DgSはオーラルケアの売場を拡大させており、新商品、高機能商品など品揃えも拡充している。これに反して購入者数が減っているということは真摯に受け止め売場、売り方の改善に取り組まなければならない。
ハブラシと洗口液が不振 デンタル用品は好調
図表2は、カテゴリー別の買上率を見ている。オーラルケアはすべてのカテゴリーの中でも4番目に買上率が高く、菓子、清涼飲料といった高回転の食品を除くと、ティッシュやトイレットペーパーが属する衛生紙用品に次いで買上率が高い。来店したら高確率で購入するカテゴリーであり、顧客接点が多い分重要カテゴリーであり、売り方、売場づくりによって店舗貢献性を上げられるカテゴリーでもある。
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