[新店レポート]東京に次いで大阪に大型旗艦店オープン コスメのテーマパーク@cosme OSAKA
店舗の体験価値を最大化 店舗をメディアとして活用
@cosme STOREを運営するアイスタイルリテールはクチコミサイト@cosmeを祖業とするアイスタイルのグループ企業で、店舗事業とEC事業がある。2023年6月期決算では、アイスタイルの売上高は過去最高の428億9,000万円(前期比24.7%増)を記録。そのなかで、アイスタイルリテールの売上高は292億2,200万円(前期比33.4%増)、グループ売上高の約68%を占める好調ぶりを見せている。
アイスタイルリテールのEC事業は@cosme SHOPPINGという事業名で堅調に売上を伸ばしている。2023年6月期のアイスタイルリテール全体の売上のうち店舗販売が183億7,700万円(前年比46.1%増)、ECが108億4,600万円(前年比16.3%増)、売上構成比は店舗販売62.9%。EC37.1%とオムニチャネル化が進んでいる(図表1)。
SNSや自社アプリで広くコミュニケーションを取り店舗へ集客。店舗体験でさらに@cosmeのファンになり積極的に情報にアクセスする、といった循環を成功させ、オムニチャネル化、O2Oの先進的な実践例となっている。以前の取材である役員は「お客様は店舗で買う、ECで買うという意識ではなく『@cosmeで買う』意識、買物行動になっている」と語っている。
こうした流れもあり@cosme OSAKAは「コスメのテーマパーク」を標榜し、店舗での体験価値を最大化するような仕掛けが凝らされているのと同時に、デジタルサイネージを多用する、次の流行を紹介するなど情報発信性、メディア機能も強化している。昨今多くの企業が取り組もうとしているリテールメディア領域においても同社は先駆者で、すでに一定の成果を挙げ今後もオンライン、オフライン双方で事業強化していく構えだ。
自販機型サンプル配給機など初の試みも複数導入
@cosme OSAKAは、@cosme STOREルクア大阪店を移転増床させてオープン。500の取り扱いブランドのなかには、@cosme初出店となる「CHANEL(シャネル)」「SUQQU(スック)」「athletia(アスレティア)」の3つの百貨店ブランドが含まれている。「試せる・出会える・運命コスメ」のショップコンセプトのとおり、500円のプチプラコスメから10万円以上の百貨店ブランドまで、試して納得した上で購入できる。
@cosme OSAKA初の売場となるのは「NEXT TRENDゾーン」。店舗先行発売の商品やこれから人気の出そうな商品を集めて陳列する。このコーナーを店内に4箇所設けている。
サンプルを無料でもらえる自動販売機型の「コスメサンプルスタンド」も@cosme OSAKAが初めて導入。
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