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マンガデザインで日本を描く(19/47)・山口県

どうもどうも、吉良です。

2月17日は30年目を迎えるJリーグの開幕日ですね。

2023年になったなぁと思ったら、あっという間に2月。
節分に南南東に向かい恵方巻きを静かに食べ、立春を迎え。ふるさと納税の返礼品で下関の「ふぐ」を食べて「福」を注入したら、今回は山口県。あまりのタイミングの良さに「福来たる」をかんじつつマンガデザインで日本を描く特集、「山口県」について取り上げていきます。

これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」「福井県」「秋田県」「福島県」「長崎県」「広島県」「愛媛県」「徳島県」「香川県」「熊本県」「大分県」「鳥取県」「山梨県」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。

まずは山口県の僕の経験記と旅行記を紹介します。

ブルートレイン寝台特急「富士」に乗って両親の故郷大分県に向かうとき、必ず通る関門トンネルの「関」の字の意味が「下関」なんだよ、と両親から教えてもらった記憶が鮮明に思い浮かびます。

現在では既になく、ダイヤも何度か改正されましたが、小学生のときに東京駅から西鹿児島行きのブルートレイン寝台特急「富士」に乗って行く大分への旅はとても楽しかった思い出がいっぱいです。

現在のティーバッグみたいなお茶と冷凍みかん、それに駅弁。寝台がセットされ必ず上段で寝るささやかな楽しみはワクワク感満載です。ただ最大の苦痛が目が覚めてしまってからの大分駅までの長さでした。

その必ず目が覚めてしまうのが山口県。
防府、宇部、下関から関門トンネルで門司、そこからが長かったです。そういう意味では僕の山口県最大の思い出はブルートレイン寝台特急「富士」の停車駅といえます。

訪問地としての山口県の思い出というと、電通時代にミナルディF1チームのレーシングドライバーと訪れた秋吉台のある美祢市の美祢みねサーキット。

その歴史の一部をお伝えすると、1991年に全長3,330mの時計回りのコースとなり、名称もMINEサーキット(セントラルパークMINEサーキット)でした。しかし、2006年2月28日をもってサーキットとしての歴史を閉じているので、知らない人も多いですね。

当時よくTVで見た、そのサーキットの先導車、つまりペースカーでサーキットを走行したことが一番の思い出です。ここに書けないことを含めてなかなか経験できない体験をしました。

最近では日本酒「獺祭だっさい」やふぐに気持ちが向いてしまいます。

山口県の蔵元「旭酒造」で造られている「獺祭」の名称は、蔵元のある周東町獺越しゅうとうまちおそごえから「獺」の1字をとったものです。
獺祭の言葉の意味は、かわうそが捕らえた魚を岸に並べてまるで祭りをするようにみえるところから、詩や文をつくる時多くの参考資料等を広げちらすことをさしています。

山口県の特徴も見ていきましょう。
山口県は県庁所在地が山口市、県土面積は6113平方キロメートルで、全国第23位の広さです。下関のフグや関門海峡で有名です。

人口約137万(日本で27位)、総理大臣輩出人数が日本一です。天然記念物の数も日本一で43件もあるそうです。ユニークなもので言うと日本一画数が少ない県名でもあります。

山口県の地方新聞は宇部日報、新周南新聞、ほうふ日報、山口新聞。テレビ局は山口放送、テレビ山口、山口朝日放送です。

有名な観光地・特産品は錦帯橋、元乃隅神社、松下村塾、秋吉台、秋芳洞、金子みすゞ記念館、萩焼、大内塗、赤間硯、ふぐ、瓦そば、ういろう、岩国寿司、みかん鍋等です。

大阪芸術大学の学生が描いた「山口県」を見ていきましょう。

(大阪芸術大学 デザイン学科2年 杉本真希さん)

【製作意図】
ふぐさしをまとめてガバーーッ!!ととるのをやってみたくて描きました。

【吉良式視点】
大分県の記事にふぐさしの話と写真を載せているので是非ご覧ください。薄く切った身を外側から内側に回しながらガバーーッと食べる。まさにこのマンガデザインがそれを語っていて、とてもコミカルでいいですね。フグの身に小葱を巻いて、ポン酢ともみじおろしで、最高です。添えられるフグの皮も絶品です。ひれ酒が描かれて無いところが学生作品で、「若者たちにもふぐを」キャンペーンみたいでいいですね。

(大阪芸術大学 デザイン学科2年 山川夏海さん)

【製作意図】
中国地方を調べている時に山口県のフグが出てきて、私はフグが好きなので描いてみました。山口の下関はフグの食解禁地で、「フグの本場は下関」と言われているそうです。また、西日本の方だと「フグ」ではなく「フク」と呼んでいる場合が多いらしいです。「フグ」だと「不遇」という言葉に繋がってしまうから「福」に繋がる「フク」という言い方をしているそうです。

【吉良式視点】
凄くユーモラスな秀作です。ふぐの名産が山口県下関であること、「ふぐ」を何故「ふく」と言うか?などをしっかり伝えてくれてます。「福」は聞いたことありましたが、「ふぐ」が「不遇」とは初めて知りました。大阪は「ふぐ」を「鉄砲」と呼び、「ふぐさし」を「てっさ(鉄さ)」と呼びますね。ふぐを食べると鉄砲玉のように「たまに当たって」死んでしまうから名付けたようです。そして豊臣秀吉はふぐを食べることを禁じていたようです。死んでしまっては「福」は来ませんね。大変勉強になるマンガデザインです。

(大阪芸術大学 デザイン学科2年 向優理子さん)

【製作意図】
別府弁天知湧水を描きました。透明度の高い湧水で、「日本名水百選」に選定されている透き通ったコバルトブルーの水と紅葉の色鮮やかさを意識して描きました。

【吉良式視点】
コバルトブルーの再現度が高く、水の美しさが伝わってくる作品です。日本名水百選の別府弁天知湧水は前述の美祢サーキットのあった美祢市にあって、美祢市を代表する観光地として知られている秋吉台や、秋芳洞と共に毎年多くの観光客が訪れます。
秋吉台はもともと海の中のサンゴ礁で、約3億5千万年の時を経て、日本最大級のカルスト台地となりました。国内屈指の大鍾乳洞である秋芳洞は、秋吉台の地下100mにある鍾乳洞。温度は1年を通して、夏は涼しく冬は暖かい「17度」だそうです。
こんな観光地にある別府弁天知湧水なので、コバルトブルーの水だけでなく、人の姿は必ず描きたいですね。あと地名を書かないとまったくどこかわかりません。読む人の立場に立ったデザインを心がけるとさらに良いですね。

次回は久しぶりの関東地方、「埼玉県」を紹介します。お楽しみに!

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吉良俊彦(マンガデザイナーズラボ代表)
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