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マンガデザインプロデュースby Manga Designers Lab.㉚ 名古屋市×中日新聞社 共生社会〜こころのバリアフリー〜

どうもどうも、吉良です。

11月になってもまだコート要らずは続いていますね。通常ならば秋から初冬のスポーツ時はウィンドブレーカーやベンチコートが必要なはずなのに、一番必要なのは水分補給という状況が続いています。

11月2日のJリーグYBCルヴァンカップでは名古屋グランパスが延長・PK戦の末、初タイトルに挑んだアルビレックス新潟に激勝しました。

翌3日の名古屋市熱田神宮からスタートして伊勢神宮を目指した全日本大学駅伝では國學院大學が見事な逆転勝利をあげました。

名古屋中心だった連休の最後に書いたこのnoteの内容が名古屋市と、名古屋市に本社を置く中日新聞の企画というのも偶然ではない必然を感じています。

今回のマンガデザインプロデュースの記念すべき30回目は「こころのバリアフリー」と称して名古屋市×中日新聞社のマンガデザイン企画を紹介します。

中部地方のブロック紙、中日新聞社にマンガデザインについてケーパビリテイプレゼンテーションを実施したのが本年4月でした。非常にフレンドリーな雰囲気で、必ず形になるという確信のようなものを感じた記憶が鮮明です。

その予感は的中し、6月には食事をしながらのディスカッションを実施。中日新聞社サイドは東京・名古屋両面での体制を作ってくださりました。

待ちに待った企画の話がきたのが8月。出会いからわずか4ヶ月でした。名古屋市の企画でマンガデザインを活用したいということでした。

ファーストミーティングも8月でした。名古屋市の想いが詰まった素晴らしいオリエンテーションシートに「この企画は必ずやりたい」と感じ、短い期間で企画イメージは膨らんでゆきました。

そのオリエンテーションシートの与件がこの内容です。

【本事業の目的】
障害のある人もない人もお互いを尊重し、思いやる気持ちを持ちながら、安心して共に暮らせるまち・なごやを目指し、「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」が制定されました。

誰もが安心して暮らせる名古屋市の実現のために、子どもから大人まで、より多くの市民が「障害とは、社会における様々な障壁との相互作用によって生じるもの」という考え方を理解し、「こころのバリアフリー」を進めていくことが必要です。

子どもから大人、生活者から事業者など様々な属性や立場の人が、障害及び障害のある人への理解を深めて、穏やかに「何かお手伝いできることありませんか?」と1人でも多くの人が言える社会を実現するために、我々は独自の強味を活かした広報活動を行い、名古屋市民に広く情報発信をしていきます。

このオリエンテーション素晴らしくないですか?これだけで名古屋市の魅力を十分に感じます。

弊社の想いは中日新聞社を通じて名古屋市に届きました。あまりにタイトなスケジュールでしたがチーム一丸となって9月30日に1話目を、10月10日には全6話を納品しました。

ケント君とアオイちゃんのマンガデザイン作品、是非しっかりお読みください。

第1話 障害の種類について知ろう

障害の種類について知ろう

障害にはいくつかの種類があるのよ。私みたいに足が不自由だったり、手が不自由な人は肢体不自由という障害なの。他にも目が不自由な視覚障害や、耳が不自由な聴覚障害などがあるよ。みんなも、車いすに乗っている人や、白杖を持っている人をまちの中で見かけたことがあるんじゃないかな。

でも最初に言ったように障害にはいくつも種類があって、外見からは気づきにくい障害もあるのよ。例えば内部障害、知的障害、発達障害、精神障害がそうね。
外見からは分からなくても「周囲の人の配慮を必要としている」というお知らせとしてヘルプマークがあるのよ。だからヘルプマークを身に付けた方を見かけた場合は、電車やバスで席を譲ったり、困っているのであれば声をかけたりして欲しいわ。

他にも障害種別によって異なるシンボルマークがあるから、是非覚えて欲しいな。
今お話ししたみたいに色々な障害やその配慮方法、シンボルマークなんかについても名古屋市の「こんなときどうする?」という冊子に載っているから是非見てみてね!

第2話 医学モデルと社会モデルについて知ろう

医学モデルと社会モデルについて知ろう

障害には医学モデルと社会モデルという二つの考え方があるから、それぞれ説明していくわね。

まず医学モデルについてね。医学モデルとは障害によって生み出される障壁は、その障害がある個人の心身機能に原因があるという考え方よ。例えば私みたいな車いすの人が段差を登れないのは、車いすを使っていることが原因で、その障害を解消するためにリハビリをしたり、治療をしたりする必要があるという考え方なの。つまり医療や福祉の分野で問題解決を図ろうというものね。
それに対して社会モデルは、障害によって生み出される障壁は個人の心身機能の問題ではなく、モノ、環境、人的環境など社会の在り方によって生み出されているという考え方よ。例えば車いすで段差を登れないのは、個人の心身機能だけではなくて、お店側がスロープを設置していないことも原因だということなの。つまり障害を生み出しているのは社会そのもので、それを解消する責任も社会にあるという考え方ね。

社会モデルは2006年の国連総会で採択された「障害者権利条約」で示された考え方で、日本でも2011年に施行された「改正障害者基本法」からこの考え方を採用しているわ。
だから今の社会は世界的に見ても社会モデルの考え方が主流で、バリアフリーとかも整ってきているのよ。

第3話 どんな手助けが出来るかを知ろう

どんな手助けが出来るかを知ろう

フミダスドーガでは障害の特性や、その障害のある人が困っていること、具体的なサポート方法を、障害種別ごとに紹介しているわ。

例えば発達障害と聞いてどんな症状を思い浮かべるかな?
発達障害にも自閉症スペクトラム症や注意欠如多動症など様々な種類があって、それぞれで特性や困りごとは違ってくるよ。
今回ケント君は視覚障害の人へのサポート方法で悩んでいたけれど、同じ場面であっても、障害の種類や、その障害の程度によって、困っている内容もサポートして欲しい内容も変わってくるの!

第4話 私たちに出来ることを知ろう

私たちに出来ることを知ろう

私たちが日々の生活の中で「何かお手伝いできますか?」という声掛けをすることで、今よりもっと障害のある人もない人も生活しやすい社会ができるよ。

障害についてもっと学んでいこうとすると「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮」といった言葉がたくさん出てくるんだ。皆が声をかけたりお手伝いをするときに、こういった言葉や考え方についても知っていてくれると嬉しいな!

第5話 つくろう私たちの共生社会

つくろう私たちの共生社会

ケント君、前から優しかったけど、障害や障害者のことについてたくさん学んでくれて、凄く頼りがいのある男の子になったなぁ。

みんなが障害のことをもっともっと理解して、助け合うことが当たり前の社会になれば、障害のある人もない人も皆が楽しく幸せに暮らせるまちになると思うの。少し勇気はいるかもしれないけど、まずは「何かお手伝いできますか?」という声掛けをしたり、何か気づいたときに少し行動したり、小さなことから是非実践してみてね!
みんなで障害のある人もない人も誰もが住みやすいまちを目指しましょ!

第6話 助成金について知ろう

助成金について知ろう

令和6年4月1日から障害者差別解消法が改正されたのよ。これまでは事業者の合理的配慮の提供が努力義務だったけど、義務になったの。

でも、点字メニューをつくったり、簡易スロープを購入するのには、お金がかかるでしょ。名古屋市では、このようなケースに助成金を出す制度ができたから、名古屋市のホームページで対象者や条件、補助金額などを確認して、ぜひ利用してみてね。

この6話のマンガデザインいかがでしたか?
社会性のある内容を積極的にマンガデザイン!をモットーにしている弊社にとって、とてもやりがいのある良い仕事をさせていただきました。

こちらのホームページも是非ご覧ください。

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