マンガデザインで日本を描く(1/47)・沖縄県②
どうもどうも、吉良です。
前回の「沖縄県①」に引き続き、今回も沖縄県について取り上げていきます。
本日6月23日は、沖縄県が5月15日に本土復帰50年を迎えてから初、沖縄戦終結から77年目の「慰霊の日」です。「令和4年沖縄全戦没者追悼式」が糸満市摩文仁の平和祈念公園にて内閣総理大臣参列のもと開催されます。
1945年6月23日に太平洋戦争の沖縄戦における旧日本軍の組織的な戦闘が終わったとされています。そのため、本日が沖縄戦等の戦没者を追悼する日として定められているのです。
「慰霊の日」の重要性については、沖縄本土復帰50年企画「未来へ」❶想いを伝えるプロデュースの中で詳しく説明していますので是非お読みください。
マンガデザインで日本を描く特集、今回も沖縄県について取り上げていきます。まずは僕の経験記と旅行記を紹介します。
僕にとっての沖縄の旅の始まりは1995年。沖縄の歴史を振り返ること、沖縄の伝統工芸に触れる事からスタートしました。その後はだんだんと沖縄の成長を体感する旅へと変化しています。
那覇の国際通りや美浜アメリカンビレッジで、ステーキやハンバーガーそしてアイスクリームとアメリカンな沖縄をたくさん堪能したり、名護のカヌチャベイなどでゆっくりした時間を過ごしたこともあります。
昨年は瀬底島でJ2FC琉球のキャプテン岡崎亮平ファミリーと久しぶりの再会を果たしました。
島にも渡りました。沖縄本島、那覇からフェリーで渡嘉敷島に行ったり、石垣島に行ったときは竹富島で水牛に乗り、美しい街を巡りました。何より感動したのは宮古島の海の美しさです。世界のことはまだまだ知りませんが、世界に誇れる美しさを体感しました。
宮古島の橋にも驚愕です。伊良部大橋・来間大橋・池間大橋の絶景は文章では陳腐化してしまうので書けません。是非見ていただきたいです。
この他、文化遺産や自然、食等沖縄のすべてが素晴らしいです。今年も必ず訪れるつもりです。
沖縄県の特徴も見ていきましょう。
沖縄県は県庁所在地が那覇市、東西約1,000㎞、南北約400㎞に及ぶ広大な範囲に160もの島々が点在している県です。平成30年1月現在、160島のうち有人島は47島、無人島は113島となっています。
人口約144万人(日本で25位)、亜熱帯海洋性気候に属するため年平均気温 23.1℃と一年を通して温暖な気候です。都道府県魅力度ランキング2021では3位でした。
沖縄県特有のメディアは新聞は沖縄タイムスと琉球新報、テレビは沖縄テレビ放送、琉球放送株式会社、琉球朝日放送、NHK沖縄放送です。
有名な観光地・特産品は、古宇利大橋、首里城公園、水納島、備瀬のフクギ並木、ガンガラーの谷、久高島、琉球村、玉泉洞、万座毛那覇市国際通り商店街、黒糖、泡盛、シークワーサー、ドラゴンフルーツ、かりゆしウェア、紅型、琉球ガラス、もずく、三線、エイサー、さとうきび等です。
大阪芸術大学の学生が描いた「沖縄県」を見ていきましょう。
【製作意図】
日本の国土面積の0.6%の沖縄県には、在日米軍専用施設の約70.4%が存在していて戦後70年以上が経った現在でも、米軍の訓練等による騒音や事件・事故等により、県民の生活に様々な影響を与えており、過重な基地負担を抱えています。
米軍基地に起因する事件・事故等が今もなお身近な問題となっている沖縄県の現状を描きました。
【吉良式視点】
「知らない事やわかりにくい事をわかりやすく伝える」マンガにはその力があります。事実を事実として意識喚起させる報道としてのマンガデザインの可能性を示したいい作品です。絵を描く前の題材選び等、制作意図の重要性をしっかりと伝えています。
【製作意図】
一度修学旅行で沖縄へ訪れた際、この轟豪の中へ入りました。寒くてライトがないと相手の顔も見えない、足場は濡れていてとても危ない等、とても怖かったことが印象的で、また楽しい場所だけではない、沖縄だからこそ経験できる場所で是非沖縄へ行った時には一度訪れてほしいと思い、今回はこの場所を描きました。
自分が感じた冷たさを寒色を加工に使って表現してみたり、相手の顔も分からないほどの暗さだったので人物も目立たないようにしています。
【吉良式視点】
轟豪は、糸満市伊敷にあり、自然に出来たこの壕は、全長およそ100メートルで、中には水が流れていて、沖縄戦当時、数百人の住民が避難していたといわれています。修学旅行で訪れた作者の想い(暗さ、冷たさ、危なさ、怖さ)この全てを見事に表現している秀作です。
写真とは違うマンガデザイン手法がその時の想いを見ている我々に伝えてくれています。白で描いた「轟豪」というタイトルが暗さとのコントラストを浮き立たせています。
【製作意図】
色鮮やかな物にひかれて描きました。
【吉良式視点】
南国沖縄ならではの明るい民族衣装の美しさが良く表現されています。この前の作品「轟豪」とのコントラストに明るい南国沖縄で起きた悲しい悲劇を感じます。この被写体の憂いのある目と視線がその明るさの向こう側を良く表現しています。
【製作意図】
個人的に沖縄県には明るい色のイメージがあったので、服に関しても何か独特なものがあるのではないかと思い調べたところ、「琉装」という衣装があることが分かった。
【吉良式視点】
琉装(琉球語:ウチナースガイ)とは、日本に「和装(着物)」があるように、沖縄には琉球王国時代からの民族衣装「琉装」という伝統的な衣装があるそうです。今日では沖縄県の伝統的な地方衣装でもあります。デザインを学ぶ学生にとってこの沖縄伝統の明るい色彩に魅力を感じるのはよく分かります。首里城の前でおしゃれなポーズ。動きがあるいい作品です。元気な沖縄、未来の沖縄を想起させ、行ってみたくなりますね。
2回にわたる沖縄県いかがでしたか?
大田実海軍中将の辞世の句に言う「県民に対する後世特別な御高配を」を実現するための努力は「沖縄県に行くこと」だと思います。
2022年5月15日に日本は沖縄県の本土復帰50周年を迎えました。
沖縄本土復帰50年企画「未来へ」をテーマに、沖縄への想いや「自然・環境」「くらし・経済」「文化・芸能」「スポーツ」「観光」についてお話しした内容をマガジンにまとめておりますので合わせてご覧いただけますと幸いです。
次回は「新潟県」を紹介します。お楽しみに!
また、マンガデザイナーズラボが運営している「Manga de Japan」でも沖縄県の魅力を記事にしていますので、こちらも是非合わせてご覧ください。