すき家なのに生きがいがある!
スキャナーに生きがいは無い。惰性の会議の不要な資料をひたすらコピーする。新聞のスクラップをスキャンして、アジェンダ(井戸端会議には冗長)を整えて、社員(これも要らない!冗談。)の数だけ揃える。角をそろえてホチキス!これは俺が仕事をしているのか?ゼロックスの労働では?ついに俺は使役する側になれたのだな。それで手取りが少ないのか。月に貰える旧諭吉の数より遥かに多い、怠惰そのものといえる紙束を事前に配りに向かう。
コピー室の鍵を閉める。あまりにも頻繁に使うので勝手に合鍵を作った。手で弄るだけでコピー室の鍵は認知できる。持ち手に付いた無粋なテプラを乗り越えると「山」そしてあのいやらしい「谷」に差し掛かるもんで、その触覚による旅の土産として脳内モデルを構築し、再現できる。なので合鍵など実際にあろうがなかろうが関係ないのだ。偉そうな奴から順にゴミを配っていく。やたらもったいぶった窓際からは測量士が見える。彼らもスキャナーだ。といっても本無能よりかはコードウェイナー・スミスが書いた、原義のスキャナーに近い。でも「感覚の欠如」という点では本無能の方が勝っているぞよ!
ああクソ田舎、ドブは無意味に澄んでいる、オオヤジのあとは特にそう。遺産動機とはなんぞや、生涯を真っ当に終える気すらないぞ!苦し紛れによった飯屋で豪州産の牛がこちらを見ている。去勢された男の最後の餌だ!味なんかしないので目で弄るように隅々を味わう。コップの水垢すら!