不思議な事を言う人
母は、極度の人間嫌いです。テレビでさえ、嫌いです。
でも、結婚前は、ある企業で受付嬢をしていました。
不思議なことに(笑)、母の評判は大変良かったそうです。
子供の私からすると、「ホンマかいな?」と言いたくなるところですが。
そんな母は、家で極力、人と会わない生活を楽しんでいました。
ある日、父の同僚が父に言いました。
「今日、用事があって君の家の近くまで行くんだけど。君が使っているアパートの駐車場に車を停めてもいいかなぁ?」
「いいよ!」父が答えます。その時、父は何かを察知しました(笑)。
田舎の事です。駐車場など、大体タダで停められるはずでした。
実は、同僚は、父が「せっかくだから、ウチでお茶でも飲んで行きなよ!」と言い出すことを期待していたのでした。
父の言葉を待つ同僚。でも、父は無言でした。
同僚の目当ては、なんと、母でした(笑)。
「父の妻は、一体どんな顔をしているのか?」
彼にとって、それが問題でした(笑)。
父が転勤でこの町を去るとき、彼が言いました。
「ついに、君の奥さんの顔を見ることができなかったなぁ・・・。」
「実に、残念だ!」
「はぁ?」その話を聞いた、私の感想です(笑)。
「そんなもの見て、どうするんじゃい?」
しかも、彼は妻帯者です。
子供には、到底理解し難い、彼の願望なのでした(笑)。