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「楽しい」はすぐそこに有る?

私の母。

ある日、「テラコッタが欲しいねん!」と言い出し…。

ガーデニングショップへお出かけ。

母は、何か買うと決めたら、上質な物を購入する傾向があります。

とっても素敵なテラコッタを見つけて、いたくご満悦。

それをレジに運んだところ、お店のお姉さんが、テンション高めに言いました。

「そのテラコッタ、すごく素敵じゃないですか!」

「お客さん、何、植えるんですか?」

すると、母から出た言葉は…。

「ネギ、植えますねん!」

(そうなんか…?)

これを聞いたお店のお姉さん。

「…」

黙り込んでしまいました…。

明らかに、テンションが下がった様子。

微妙な空気が流れる中、1人満足げにお会計をする母。

この喜びは、父にも共有しなければなりません。

早速、帰宅した父を捕まえて、言いました。

「このテラコッタ、オシャレでエエやろ~🎵」

すると…。

「お母さん、綺麗な花ば、植えると?」と父。

母が、嬉しそうに答えます。

「ネギ、植えるねん!」

これに対して、父までもが、しばし沈黙。

そして、絞り出す様な声で、言いました。

「ネギ…?」

母が、続けます。

「そうや、アンタの好きなネギやんか!」

「なんや、みんな、変な顔してからに…」

「ネギ、植えたら、アカンのんかっ!」

段々、危険なオーラを放ち始める母。

それを察した父が、穏便に話をまとめます。

「よかね~」

「これで、お母さんも楽しみができたと!」

この後、このテラコッタで、ネギの栽培が始まるのですが…。

(なんか、美味しくないかも…)

家族に不評だったネギ。

拗ねる母。

「フン😠💨」

「せっかく、私が作ったのに!」

母は「作った」などと大袈裟に言うのですが、実はこれ、スーパーで買ってきたネギの根の部分だけを植えて栽培したもの。

何回も収穫しているうちに、大味になってしまったのでした…。

まあ、そこら辺の土を入れただけで栽培したのです。

どうも、やっている事が、ちぐはぐな母。

そんな母を、温かい目で見守る父。

「お母さんと暮らすと、楽しかね~」

そうだ、何でも楽しい事にしてしまうのが良いのでした(笑)。


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