可愛くない子供
幼い頃の私。一応(?)見た目は、儚げな子供でした(笑)。
ある日の夏休み、母の実家の前で、柄杓を持って、バケツの水をお花にあげていました。当時、まだ小学校に上がる前でした。
すると・・・。
変な若い男がやって来て、いきなり、後ろから抱きついてきました。
髪はロングで、チリチリのパーマがかかっていました。
帽子には、傘のブランドマークが・・・。
幼いながらも、とっさに思いました。
「思いっきり、可愛くない顔をしてやれ!」
振り返って、斜め45度から彼を見上げた私。
不細工な目つきをして、無言で、彼を睨み付けてみたのです。
すると・・・。
目を丸くした彼。とても、驚いていました。
「このガキ、信じられないぜ!」みたいな表情です(笑)。
やがて、恐怖の色を顔に表したかと思うと、そのまま逃げ去ってしまいました・・・。口は、ポカンと空いたまま。
ふり返りながら逃げ去る彼を、じっと黙って睨み続けた私。
母の実家は、細い路地を入った所にあります。
きっと、土地勘のある人物の仕業に違いないのでした。
家に入った私は、早速、今しがた起きたばかりの出来事を、ばあちゃんと母に話すのですが・・・。
「あのな~、変なお兄ちゃんが抱きついてきたから、可愛くない顔して睨んでみたら、逃げて行ったわ!」
「ハハハ!」「あんたらしいな!」と母。
(何が、私らしいねん?失礼な!)
「下手に騒がんで良かったな!」とばあちゃん。
悲しい事に、ちっとも、心配してもらえなかったのでした(笑)。
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