母親像の呪い
昨日は、元同僚で友人の小悪魔女子と上野へお出かけ。
一見気の強そうな彼女ですが、時折見せる悲しげな表情が気になっていました。
近頃、自分の生い立ちを話し始めた彼女。
どうやら、お母さんとの関係が上手く行っていない様子。
「お母さんは、私が苛められていても、世間体を気にして、私を守ってくれなかったの…」
「私を守ってくれたのは、おばあちゃんだけなのー」
「お母さんが私に何かをアドバイスする時は、私のためを思ってするんじゃなくて、自分の見栄のためにするの~」
世間には、「母親たるもの、当然子供の為を思って生きているハズだ!」などという思い込みが存在します。
この考え方は、時に正しく、残念ながら時に正しくありません。
神格化される母たる概念に反抗の意を示した途端、袋叩きにされることも…。
「それは、勘違いだ!」
「あなたのお母さんは、きっとあなたを心から愛しているハズだ!」
「お母さんのことを、悪く言ってはいけません!」
「育ててもらったんだから、感謝しなさい!」
まあ、こんなところでしょうか…?
この様な事を言う人達に反抗したところで、ただ虚しい思いをすることでしょう。
世の中には、色んな母親が存在する。
小悪魔さんの話を黙って聞く私。
「母親って、もっと良いモノのハズだ!」
これも、もしかしたら、小悪魔さんの思い込みかも知れません…。
たとえ、至らぬ母親であったとしても、「あっそう、あなたはそうなのね!」と思えたら、どんなに楽なことでしょう…。
しかし、人間の感情は複雑です。
「母親も人間だし、至らぬところはある!」
かつて、幼い私に父が、そう、教えてくれました。
期待を手放して、生きて行く。
そうすると、小悪魔さんも少しは気が楽になるのかも知れません…。