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生活設計はしっかりと!

ある日、外国人の友人から年金に関する相談を受けました。

もう20年以上、日本に住んでいます。個人事業主の方です。

「私や妻は、年金をもらえるのだろうか?」

奥様は、日本人の方です。彼より15歳以上も年下の方です。

よくよく話を聞いてみると、ご夫妻で国民年金の保険料を一度も納めていないとのこと。どうして、今までほったらかしていたのでしょうか?

「保険料を納めないと、年金を受給できませんよ。」と私が言うと、彼が奥様を連れて私の所へやって来ました。

奥様は今まで、専業主婦でした。友人がそれなりに稼いでいたために、社会保険とか、お金のことに関して全く関心が無かったとのことでした。

奥様に年金制度についての説明をしますが、ほとんど興味が無い様子でした。「どうせ、保険料を納めても年金なんてもらえないんでしょう?」

半分ふてくされた感じの奥様。友人が私に謝ります。

「ごめんなさい。あんな風で、私は情けないのです。必ず妻を説得して国民年金の保険料を納めるようにします。」

それから程なくして、その友人は亡くなってしまいました。

彼が何故急に、私に年金の相談をしてきたのかが分かりました。

自分に残された時間が少ない事を、なんとなく察していたのでしょう。

年金の保険料を納めていないことによるデメリットは、将来年金がもらえない事だけではありません。

もし障害者になってしまった場合、障害年金を受給できないリスクがあるのです。

国民年金の保険料を納める際には、付加保険料(月額400円)を納めることもお勧めします。こちら、2年以上年金を受給すると支払った付加保険料以上の年金を受け取ることができるのです(返戻率が高く、お得になります)。ただし、国民年金基金に加入している方は付加保険料を納めることができません。

友人の一家は本人も含め、お金使いが大変荒く、彼が入院した際にはとても慌てた様子が伝わってきました。

お金は稼ぐけれど、有れば有っただけ使う。貯金は一切無かったとのことでした。それでも、彼の入院先にお金を無心に来る子供たち。

「私の子供たちはどうして、あんな風になってしまったのだろう・・・。」

「すぐ、お金、お金、お金・・・。」そう嘆く彼。

一旦は退院して、生活の立て直しを図った彼でしたが、間に合いませんでした。

彼の家族は、生活で必要な事の一切を彼任せでやってきました。

彼の歴代の妻たち3人と10人程いたお子様方の生活が危ぶまれます。

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