母の贅沢な不満
私の母は、大変分かりやすい人物。
家族に対して、曖昧な言葉が使われることはありません。
コレ、母の生い立ちが影響しています。
母の実母(祖母)はいつも曖昧話法で、母を煙に巻こうとしていました。
極貧で苦しい生活をしていた祖母。
子供と真剣に向き合っている場合ではありませんでした…。
子供には、できるだけ無知であって欲しいと願っている様なフシがありました。
知り過ぎた子供の自己主張が、自分を苦しめることを恐れた祖母。
しかし、もう、手遅れでした…。
母は知り過ぎた子供となって、ある日、両親の所に逃げ帰って来たのです。
捨てたハズの子供が突然目の前に現れて、ただでさえ迷惑だったのに、その子が大変扱いにくいという二重苦に陥った祖母。
祖母は、子供を産んだ娘(母)に忠告しました。
「花甘露に何でも教えてはいけない!」と。
これに対して、母は激怒。
「あの婆さん、なんも分かっとらへん!」
「私は私の責任で、花甘露には何でも教えるんや!」
「それが、たとえ私にとって都合の悪いことでもや!」
「もし、花甘露が変になったとしても、私は後悔せんのや!」
祖母の心配を他所に…。
私はただ、母の教えを黙って聞いていただけ。
人生に絶望することもなければ、親に対して過大な要求をすることもなかったハズ(笑)。
「あっ、そう?」 ただ、それだけ(笑)。
(在るがままを、そのまま受け入れる他はないではないか?)
父が、言いました。
「花甘露は、飄々としとると!」
母の様に強烈な何かを胸に抱くこともなく。
祖母は、大変喜びました。
「花甘露は、エエ子に育ったな~」
1人不満げなのは、母。
「つまらん!」
「親に反抗せん様な子は、つまらん!」
(そう、言われてもね…)
母の贅沢(?)な不満は、祖母には到底理解できないのでした(笑)。