迷惑な名誉職
今日は、私の友人が出勤してくる日でした。
普段は在宅勤務の彼女。
朝、私の顔を見るなり、言いました。
「花甘露さん、ついに決意しました!」
「今日、ボスに、もうムリと伝えます!」
(お~、やっと決心が出来たのかー)
恐ろしい量の仕事を抱え、いつも三角目をしていた彼女。
精神状態は、不安定でした・・・。
彼女が担当していたあるお客さん。とても、ワガママです。
「私が言ったら、今すぐに仕事をしなさい!」などとねじ込んできます。
彼女は、他にも数千人規模のお客さんを担当しています。
すべての仕事を放り出して、ワガママなお客さんの命令に従っていた友人。
「月額3万円しか払っていないくせに何なんだ!」怒りに震える彼女。
この会社、大手です。
ボスに彼女が尋ねます。
「どうして、こんなやりにくいお客さんを、たった3万円という破格な価格で引き受けたのですか?」
すると、ボス。
「天下の○○会社ですよ!お仕事をさせて貰えるなんて、名誉な事ではありませんか?」
「はぁ~?」呆れる友人と私。ボスは、どうかしています・・・。
(見栄だけで、仕事を引き受けたのか・・・。)
「私、来月から、もうこの仕事はしませんからね!」と友人。
大人しい友人が、初めてボスに行った自己主張。
ボスは、苦笑い。願いは、聞き入れられました。
気難しいこのお客さん。忍耐強い友人だから今までやって来れたのでした。
以前、このお客さんを担当していた別の女性は、退職してしまいました。
今後、誰が、このハズレクジを引くのか?
「普通の人では、やって行けないよ・・・」ボスが、頭を抱えます。
従業員を守る為に、お客さんを選ぶのもボスの仕事だと思うのです・・・。