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nekonosara
心溶かす人
私の父はその場に現れるだけで、大概の人が笑顔に…。
別に、笑われている訳ではありません。
口の悪い母曰く、「お父さんは飛び抜けて男前でもないけど、まあ、十人並み以上やわな!」とのこと(笑)。
(ふ~ん)
ちなみに、母は美人だと評判ではありますが、その生い立ちが影響して、人を寄せ付けない雰囲気があります。
幼い頃から怒りに満ちた人生を歩いて来た母は、極度の人間嫌いです。
そんな母に、「結婚をして良かった!」などと言わせている父。
結婚当初を振り返る母が言いました。
「結婚当時、お父さんの所持金は3万円で、人に貸しているお金が5万円やったわ!」
「親にお金を仕送りして、すっからかんやんか!」
「セーターもコートも持っとらんかったから、冬になったら、鼻水垂らしとったんやで!」
「ほやから、私がセーターもコートも買うてやったんやないか!」
「お父さんが暖かく暮らせる様になったのは、私のおかげやないか!」
(母よ、何故にそんな人を選んだのか…?)
ちなみに、結婚直前の母は、大手企業で重役秘書をしていました。
人を見る目は、厳しいものがある母。
それが、なんか、到底王子様からは程遠い様な父と喜んで結婚。
車まで、買い与えたりして…。
(一体、どうなっている?)
父を見て、キヤーキヤー騒いでいる女性陣を冷ややかな目で見つめる私。
所詮、子供の自分には分からぬこと。
ただ、父に癒し効果があることだけは、確からしいのでした(笑)。