何故か上手く行く呑気者の人生
私の父は、大変厳格な父親(祖父)に育てられました。
ところが、父自身は苦労人の割に、自他共に認める呑気者(笑)。
大学を卒業した途端、そのマイペースさが加速。
実家に舞い戻って来た父は、そこいらの吹けば飛ぶ様な、訳の分からない会社に就職。
毎週、月曜日になると、「気が向かんと!」と言いながら、会社を欠勤。
昼までお布団の中に居たそうな…。
会社では、「月曜日が休みのお店で働いている女と付き合っているに違いない!」と噂される始末。
しかし、何故かクビにならない不思議(笑)。
見かねた祖父が、父のお尻を叩きます。
「ちゃんとした所に就職せんかっー!」
渋々、上京し、ちゃんとした所に就職した父でしたが、非正規。
「仕事つまらんし、1年経ったら辞めると!」
そう、思っていたそうな…。
でも、さすが、ツイてる男は違います(笑)。
ある日、上司がやって来て、父に「正職員になるんやろ?」と声をかけてくれました。
この上司、お昼休みに父が、職員の子供の数学の問題(宿題)を解いて、解説していたのを見ていたのでした。
正規雇用となり、やりがいのある仕事を任される様になった父は、思いました。
「ひょっとして、結婚できるかも知れんと!」
ある日、恐ろしく美しい女性(母)と出会った父は、身の程もわきまえず、ゆる~くアタック。
母は、当時、大手企業の副社長秘書をしていました。
父は特に見た目が良い訳でもないのに、「大丈夫、私、借金はなかと!」とか言いながら、所持金たったの3万円でプロポーズ。
「のんびり暮らしていかんね!」と言ってのけたそうです。
(その自信、何処からやって来たのか?)
まあ、貧困の理由は、親に仕送りをしていたという、正当なものだったのですが…。
強運体質の父は、きちんとした仕事と美しい女性も手に入れることができました(笑)。
これには、父の母親(祖母)も驚きます。
「この子が、1番取り柄が無いと思っていたのに…」
そんなに頑張り過ぎないのに、周りの人達から愛され、何故か上手く行く人生。
それが、父の運命なのでした(笑)。