ボス、しっかりしてくれ!

今日は、いつも大変お世話になっている先輩が出勤してきました。

彼女は通常、テレワークをしています。

そんな彼女が、メールを見るなり、叫びました。

「花甘露さん、このメール見てください!」

先輩が担当しているお客さんからのメールですが、内容は深刻です。

このお客さん(A社)、ある会社(B社)を吸収合併することになったのですが、B社側が、本来行ってはいけない手続きを行ってしまったのでした・・・。

普段は強気なお客さんが、メールで嘆いていました。

「どうして、こんな事になってしまったのか・・・」

A社の担当者は、大変頭の切れる人で、B社には、事前にこの手続きをしない様に注意していたのだそうです。

「あ~、このメール、もう、見たくないっ!」先輩も壊れ気味。

そもそも、この手続きは取り消せるのか?

今、分かっているだけでも、既に400人分の手続きが為されてしまいましたが、被害の全貌は掴めていません。もし、全員分の手続きが終了していたとするなら、その数は1000名を超えます。

もし、この手続きが取り消せるとするなら、その申請は1人につき1枚の申請書(紙)を作成して行わねばなりません。

そして、この取消申請は、先輩がやることになるのか?

ボスが出勤してくるなり、先輩が彼の所に駆け寄ります。

「ボス、大変です!」「とんでもない事が起こりました!」

しかし、残念ながら、ボスは実務が苦手なのでした・・・。

事の重大さがちっとも理解できないボス。

「別に良いんじゃね~」「放っておけば~?」

なんとも、お気楽な返事をします。

(そんな訳、ねーだろー!)

これには、先輩も真っ青。

「ボス、このままでは、従業員方にとって不利な結果となります!」

「早く、対応策を考えて下さいっ!」

「そうしないと、こちら側の仕事も滞ってしまいます・・・」

ボスも一目置く先輩の申し出に、知らん顔をする訳にもいかず、渋々A社に電話をかけるボス。

しかし、今日中に結論は出ませんでした。

落胆しながら帰る先輩。本当に気の毒でなりませんでした・・・。

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