場違いな挨拶
ある百貨店のリニューアルオープンの日、開店前に並んでいました。
店長が出てきて挨拶をします。
「本日は大変お寒い中、ご来店いただきまして、ありがとうございました」
確かに、季節的には寒いのですが・・・。
つい、横にいた母に向かって「寒くないよね」とささやいてみたところ、とんでもないことに・・・。
周りにいたおばさま方が、騒ぎ出しました。
「そうよねぇ、ちっとも寒くないわ!」「そうそう、寒くない!」
「寒くない、寒くない!」
何故か、「寒くないコール」が始まり、笑いまでが起こる始末。
大事になってしまいました・・・。
店長がチラッとこちらの方を見たものの、ひたすら用意してきたあいさつ文を読み続けます。
お買い物終了後、母が私に言いました。
「あんた、あの組織どうかしてるで。きっと衰退するで、見とってみぃ!」
ただただ、事前に用意されたあいさつ文を機械的に読み上げた店長に危機感を覚える母でした。
確かに、その日の状況に応じて臨機応変に挨拶の内容を変更するべきだったと思います。
「ああいう、ちょっとした事からその組織の様子が分かるんやで」と母。
今にしてみれば、母の言っていた事は的を得ていたと思うのです。