見ようとする力
私の仕事の内で、最も需要が高い職種があります。
この仕事、職種未経験者が何の指導も無しに行うのは無謀です。
ベテランの担当者ですら、知識不足から、長年間違った仕事をし続けていることもあります。
絶対に、他人の目を入れる必要があります。
しかし、私のボスは、頑なにダブルチェック体制を敷くことを拒否。
今まで、新人さんに指導者を付けることもありませんでした。
ところが、最近、あるお客さんの仕事を引き受けるに当たって、珍しく新人さんに指導者を付ける決断をしたボス。
指導者に指名されたのは、何故か私。
(オイ、オイ、もっと経験豊富な人に指導させなさいよ!)
ちなみに、私は、まだ1年程しかこの仕事を経験していません…。
この職場では、経験豊富になると、とてつもない量の仕事を振られるため、人を指導している時間が無くなる傾向にあります。
やはり、経験が長い程、視野が広くなり、読み取れる情報量も多くなります。
まだまだ未熟な私ですが、指導を始めた途端、今まで見えていなかった事が見えてくる様に…。
急に頭の性能が良くなってきます(笑)。
後輩は、質問を多くするタイプ。
「どうしてですか?」攻撃に備えるため、事前に、後輩がどんな質問をしてくるのかを予想します。
すると、何となく出来ていたことを言葉にしてみるということをしなくてはならなくなります。
すべての工程に理由がある!
そんな風に物事を見て行きます。
それにしても、このお客さん、かなりおかしな仕事をしている模様。
鋭い後輩も、その事に気が付いています。
本来、このお客さんは、どういう仕事をするべきだったか?
後輩と2人で、話し合いを重ねます。
平凡でないこのお客さんからは、学ぶことが沢山あります。
お客さんの会社では、どの様な人間関係が築かれていて、担当者は何を問題と感じ、何を悩んでいるのか?
後輩は、この様な事にまで関心を持って物事を見ています。
(なかなか、才能があるではありませんか!)
「○○の問題は、✕✕という人間関係が影響していますよね?」と後輩。
仕事の結果だけを見るのではなく、過程や背景に興味を持つことはとても大事です。
頭の中でドラマが生まれる。
それを楽しめるのも、仕事の醍醐味なのかも知れません(笑)。