女心はナゾ?
私の母。
過酷な幼少期を過ごしたことから、極度の人間嫌い。
生まれてすぐ、両親に捨てられてしまったのです…。
やがて、執念の人である母は、両親の元へ逃げ帰って来ます。
この時、小学校2年生。
温かい家庭を夢見ていた母の期待は、無惨にも打ち砕かれてしまいます。
実の両親は、娘を歓迎しませんでした…。
もともと、いらないと思われたから、捨てられたのです。
娘の登場によって、さらに困窮することになった祖母は、母にキツく当たります。
それでも、母は使命感に燃えていました。
「貧乏から脱出してやるワイ!」
恐ろしいまでの力を発揮して、大手企業に就職した母は、稼いだお金のほとんど全てを祖母に渡します。
これ以後、祖母は、母に頭が上がらなくなります。
そして、反省。
母の幸せを願う様になるのですが…。
母は、思いました。
「あの婆さん、方向性がおかしいねん!」
祖母が思い描く幸せとは、一体…?
そう、「結婚」なのです。
これに、母は怒り心頭。
「自分(祖母)、結婚に失敗して、子供を捨てる羽目になったんやろ~?」
「ドロキン野郎(祖父のこと)にしがみつきくさって!」
「アホか!」
「なんも、分かっとらん!」
人間嫌いの母に、結婚させようとする祖母。
対立は、深まるハズ…。
ところが…。
ある日、母の前に、冴えない感じのモテ男が現れます(笑)。
なんだか、気になる男。
それが、父なのだそうな…。
ゆる~い様な、にぶ~い様な、何とも言い難い不思議なオーラを身に纏う父。
とぼけた顔をして、人の事をよ~く観察していたりします。
一見、アホそうに見える父なのですが、何故か女性達の心をガッチリ掴んでしまうのです。
子供の私には、全くもってナゾ(笑)。
結婚難易度が高いと思われた母に向かって、父は言いました。
「大丈夫!」
「私は、借金は、無かと!」
「3万円も持っとると!」
(はぁ~?)
(「3万円しか」の間違いでは…)
所持金たったの3万円男を、祖母(母の実母)までもが、すっかり気に入ってしまい…。
(一体、どうなっとるんじゃい?)
こうして、母はめでたく結婚。
しかし、幸せになり過ぎた母を見て、祖母は複雑な心境に…。
「人間は、もっと苦労せなアカン!」
女心は、訳が分からないのでした(笑)。