奇妙な旅館
東北の老舗温泉旅館に日帰り入浴に訪れた時の事。
一応時間内に訪れたのですが、フロントの男性は、迷惑そうに受付をしてくれました。なんか、嫌な予感がしました。
そして、お風呂に入っていたところ、お客さんのおばあさんが話しかけてきました。
「お湯が熱すぎるから、旅館の人に連絡しておいたよ」
それから程なくして、旅館の従業員らしいおばあさんがやって来ました。
つかつかと洗い場にいた私の所へやって来て
「お湯が熱いとかなんとか言われたんだけどよぉー」云々。
東北弁でまくしたてられて、ほとんど何を言っているのか分かりませんでした。でも、文句を言っていることは確かでした。
しこたま、一方的に喋り倒したおばあさん。
最後に、「わーがまま言われても、こーまるんだべっ!」
そう言い残して、ふてくされた様子で去っていきました。
しばし、ポカンとする私。不思議と怒りの感情は湧いてきませんでした。
「アハハ!」何故だか可笑しくて仕方ありませんでした。
ちなみに、この旅館は倒産してしまいました。
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