![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142688649/rectangle_large_type_2_c81091c3b2c39c37258e2f8ced9213ba.png?width=1200)
念じれば何とかなってみた
母の弟は、密かに思っていました。
「姉(母)の生む子は、殺人鬼の様な目をして、ワシを睨み付けるに違いない!」
そして、こうも思っていました。
「姉(母)の様な女を嫁にする様な男(父)は、かなりの変人に違いない!」
(その妄想、酷過ぎやしないかい?)
ところが…。
母の実母は、言いました。
「花甘露ちゃんは、エエ子やな~」
「お父さんも人間が出来とるし、お母さんも、幸せやな~」
母の弟は、拍子抜け。
むしろ、妻や子供に手を焼いているのは、弟の方。
母が、言いました。
「人の事をバカにするから、あんな事になるんやわ!」
結婚するまで、母の人生は過酷でした。
母の実父は、家に生活できるだけのお金を入れなかったため、母は生まれてすぐに捨てられてしまいました。
そして、ある時は、妻(祖母)が死にかけているのに、自分は妻の兄弟にお金をせびって映画を見に行っていたのだとか…。
見かねた祖母の兄弟の内の1人が、祖母の入院費用を出してくれ、なんとか命を取り留めることができました。
その後、この兄弟の子供(母の従兄弟)は、母に偉そうな態度を取る様になります。
「クッソー」
不遇な生活に生命力を奪われる様な性格ではなかった母。
怒りと殺意を力に、日々の生活に堪え忍んでいたところ、奇妙な雰囲気を身に纏った男性が現れます。
それ、後に私の父となる人物。
父は、母を見て、直感的に思いました。
「この人は、人に馴染まない人だな~」
驚くべき事(?)に、父はそんな母に接近。
「他人は、バイ菌!」
極度の人間嫌いである母。
はにかみ笑いをする、如何にも貧乏そうな青年は、謎の武器を使って、母の警戒心を喪失させてしまったのでした(笑)。
能天気にも…。
「大丈夫、私は借金はなかと!」
「所持金は、3万円あると!」
変なアピール(?)をしてみたりしたそうな…。
一体、何が、「大丈夫!」なのか、全く理解に苦しむのでしたが、自信満々にそう言われると、なんとなく「大丈夫」な様な気がしてくるのかも知れません(笑)。
実際、母の様な超難関人物の心に安心感を与え、平和な家庭を築いた父。
ヘンテコな自信、これ、意外と大事なのかも知れません(笑)。