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母の企みは悲しい動機から

母は、大変強い意志をもって、女の子が生まれたら、娘の名前を父に付けさせようと、企んでいました(笑)。

両親に名前を付けてもらえなかった母。とても、無念でした。

母は生まれてすぐに、両親から離されてしまいました。

祖父が、稼いだお金を家に入れず、祖母は大変困窮していました。

そして、祖母が母を育てない決断をした背景には、母が女の子であったことも大きく影響しているのでした。

「どうせ、女の子は稼げないから、将来自分の面倒を見てくれることはないだろう・・・」あまりに貧しすぎて、そのような判断をした祖母。

結局、将来、両親を経済的に支えたのは、弟ではなく、母でしたが・・・。

母が両親の所に逃げ帰ったのは、小学校2年生の頃でした。

大変、迷惑がられたそうです。女の子は、役立たず扱いでした。

母に、娘の名前を付けるように命じられた父。

1つだけ、条件がありました。名前に「美」の文字を使わないことです。

女性が、「美」に頼って生きることを嫌ったのでした。

父は、殺伐とした満員電車の中で、私の名前を思いついたそうです(笑)。

母は、その名前を大変気に入りました。

ある日、母に聞いてみました。

「なんで、女の子の名前をお父さんに考えさせたん?」

すると、次のような悲しい答えが返ってきました。

「お父さんが、女の子を捨てないようにするためや!」

「自分で名前を付けたら、愛着が生まれるかと思ったんや・・・」

それを聞いた、父と私。「・・・」言葉もありません。

幸い、父は家族を捨てたりするような人ではありませんでしたが・・・・。


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