何処でやられたん?
母は、結婚してから一度も美容院へ行っていない。自分で自分の髪を切るか、父に切ってもらうかのどちらかだ。
独身時代は、結構オシャレさんでした。確か三宮の「アキラ」という名前のお店で、総ばさみカットをしてもらっていたほどだ。
そろそろ母の髪が伸びてきました。
いつものように自分で髪を切りました。
早速、近所の奥さんが驚いた様子で
「何処でやられたん?」
多分、その「やられたん」は敬語ではない。
出来損ないのおかっぱのカツラを歪んだ状態で被っている。そんな感じ。
不器用な母の自己カットは惨憺たるものだったが、それが日常だ。家族は別に何とも思っていなかったのだが・・・。
改めて、そう言われてみるとなるほど。
近所の奥さんは自分もそんな被害にあいたくないので、ついそう尋ねてしまったのだろう。
「ああ、コレ私が切ったんよ」
ちょっと、安堵した近所の奥さんでした。
ちなみに、父のカットは上出来だ。