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人間を知る

私の母。人を見る目は、恐ろしく確かです。

幼い頃、一旦は両親に捨てられてしまった母。

誰も、自分を守ってくれませんでした。

この時期、周りの大人達をじっと観察。

「人間の淵の底を見たわ!」と母。

小学校に上がる前にして、もはや心は老婆。

ある意味、実母よりも老けた心の持ち主でした。

人は年齢に関係なく「この世で起こり得るすべての事を知っておくべきだ」という考えを持つに至ったのでした。

そんな母。幼い私にも、その現実教育というものを施します。

「子供だから知らなくてもいい」とか「まだ知るには早すぎる」という考えは、一切ありませんでした。

それを見た母の実母は、大変慌てます。

「子供にそんな事を教えて、親にとって都合の悪い子供に育ったらどうするんや!」

でも、母はお構いなしでした。

「私が行った事の責任は、私が取る!」

変に、潔いのでした(笑)。

で、その実験台(?)になった私。

意外と、良い子(?)なのだそうです(笑)。

拍子抜けしたばあちゃん。母は、物足りなさそうにしていますが・・・。

何かを知ることと、人格形成との間には、必ずしも相関関係は無い様です。

ただ、私はいい意味で、人間に期待しない子供であったのかも知れません。


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