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ビジネスエレガントで消耗

家族が知る母は、野生人そのもの(笑)。

エレガントとは、程遠いと思っているのですが…。

母のことをよく知らない人達は言います。

「なんて気品のある人なんだ!」

(イヤ、イヤ、何かの勘違いですよ…)

母の実母は、心配していました。

「とんでもない悪ガキに育ってしまった…」

ところが…。

何の因果か知らないけれど…。

大手企業に就職してしまった母。

本当は、あまり人と接しない、コンピュータ室への配属を希望していました。

しかし、その美貌が災いして、受付嬢に抜擢されてしまいます。

毎日、大嫌いな人間と対峙し、憂鬱な気分の母。

それでも、受付嬢としての母の評判は大変良いものでした。

他の企業からも、「ウチに来ないか?」などと引き抜かれそうになる始末。

そのポジションは、どこも目立つ所ばかり。

母はストレスが溜まって、休日は廃人の様になり、お布団の中から出て来なくなっていました。

何年間か受付嬢を務めた後、母が配属されたのは、秘書課。

なんと、副社長が母を自分の秘書に指名。

ここで、更なる教養と洗練された振る舞いを身に付けたハズだったのですが…。

結婚した途端、野生人に戻ってしまいます。

母の実母は、大いに落胆。

何故か、父に向かう怨み節。

「お父さんが、ちゃんとお母さんを躾なアカンのに…」

父は、言いました。

「ばあちゃんもできんかったことは、お父さんにはムリたい!」

「お母さんは、あのままでよか!」

自由を手に入れた母は、とてもイキイキしているのでした(笑)。


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